本心のち自覚 5 ページ30
がやがやしていたら次は紅輝も来てくれた。
会うなり自分の服を私の肩に掛けてくれたが、踊った後なのもあり暑かった。
「ーー! ………。」
「だめ?今暑くても我慢して?んー、分かったよ、頑張るっ。」
しぶしぶだが服を掛けた私に満足そうにニコッと微笑む。
紅輝の綺麗な右手が近づいて来たと思ったら、私の左耳にある大振りなピアスに触れながら囁いた。
「…、……。」(A凄く綺麗だった、今すぐ攫いたいぐらい。)
「えっ!?…あ、ありがとうっ?」
訳が分からず上がり口調になってしまった。
仲良くなってから紅輝はストレートにこうゆう事を言ってくる様になっていた。
女子が喜びそうな事よくしてくれるなぁ…。
心がときめかない訳では無い。
ただそれが愛情には結びつかないのだ。
蛍介くん達のライブが始まった。
観客の黄色い声がここまで聞こえてきて、私まで嬉しくなる。
「じゃ着替え行く? 建築学科の来なかったね、意外だったわ。」
「うん、着替える!
…んー…やっぱさ、こんな感じだから嫌われたかも。
なんかこうゆうの嫌いそうな気もするし…」
ははっと笑って見せたが、実は1番気になってた。
勝手なイメージだけど、バスコはこうゆう女は苦手な気がしていた。
あんな尻軽そうな女もう絡まない! とかならないと良いなぁ…、なんて苦笑した。
勝手な思い込みに落ち込みながらも移動する準備をしていたら、勢いよくドアが開いた。
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作者名:まんちかん | 作成日時:2021年2月3日 17時