万能声優の日常Ｖ【木村良平】５

嘘 ページ47

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「日暮さん、槇村さんね…妊娠してるの」

日「え…」

槇「ど、どうして言うのよ！Aっ」

良「そういう大事なことは言わないとダメだよ」

槇村さんはめちゃくちゃ慌てている。


「日暮さんの子供だって」

日「…何言ってんの？」

良「とぼけんなよ。槇村さんの腹に
お前の子供がいんの！」


すると次の日暮の言葉に良平君とAが驚愕する。

日「妊娠した…？ありえない」

良「は？」

「え？」

槇「………っ、」

良「ありえない？抱いたなら避妊したって
できる可能性あるだろ！」

日「俺はあれから槇村さんを一度も抱いてないよ。
良平と七井さんのアンジェリークの
アフレコ始まってから確かにまた
会うようになったけど、そういう行為はしてねえよ。
一緒にメシ食ったりはしたけどね」

「え、どういう事？」

あの一夜の身体の関係を断ち切ってからは一度もそういうことをしていないと日暮は言う。


日「それに良平がめちゃくちゃ怒ったから、
女遊びもほとんどしてないしな。だからそんなこと
槇村さんにしてない。こっちが聞きたいね」

良「なに？それじゃあ槇村さん、嘘だったの？」

「どっちが本当なの？」

槇「……っ」

日「槇村さんどういう事？
なんで俺が妊娠させたみたいになってんの」

槇「ごめんなさい…嘘ついたの」

良「嘘？」

「じゃあ妊娠してないのね？」

槇村さんは俯いて、頷いた。槇村さんは涙を流した。


良「なんで嘘ついたの？」

槇「………」

日「槇村さん、なんで妊娠したなんて言った？」

「………好きなのね、まだ」

日「え？」

槇「うう…っ」

「槇村さんはあなたの事、忘れられなかったみたい。
まだ好きなのよ。だから妊娠してるって嘘をついて、
あなたと一緒に居たかったのね」

日「………」

槇「ごめんなさい…ごめんなさい…っ」

すると日暮は引かなかった。


日「槇村さん、ありがとう。そこまで俺を
想ってくれてたんだな…でも嘘は良くないよ。
そんなすぐバレる嘘なんか特にな」

槇「うぅ、ほんとにごめんなさい…」

日「俺、良平に怒られてから女遊びしなくなった。
今は本気の恋をして、彼女がいる」

良「はあ？そんなこと聞いてなかったけど!?」

日「ちなみにお前のファン」

「えー！？うそ！」

日「嘘なんかつくわけないだろ；」

なんと日暮にはあのペンションの後くらいから運命的な出会いをした良平君ファンの女性と交際しているという。

良平君たちは初耳だった。

槇「そ、そんな…そうだったの？」

余計に落ち込んだ槇村さん。日暮が振ったのはこれで二度目となってしまった。

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