万能声優の日常Ｖ【木村良平】５

14.広樹さん ページ41

ネオアンジェリークのアフレコを終えた後のこと…


中村と良平君はAにカレーを食べに行こうと誘った(中村が言い出しっぺ)

「中村くんがカレー？大丈夫なの？」

良「え？どういう意味？」

中「甘口ならいいんだよ。カレーは好きだぞ」

「彼は中辛も食べられないのよ。甘口しか食べないの」

良「そうなんだ！なんか可愛いですよ中村さん(笑)」

中「う、うるせえな…；」

スタジオを出たところでレイン役の高橋広樹さんに止められる。


広「七井、帰る前にちょっといい？」

「はい、どうしました？広樹さん」

Aは高橋さんの元へ


中村と良平君は２人の様子を見ていた。何か紙を広げて２人は肩が当たるくらい近い。

良「あれ、何見てるんだろ…」

中「多分、テニスの王子様のイベントの事だろうと思うぜ」

そのとおりである。テニスの王子様100曲マラソンのイベントの会場見取り図を見ていた。


良「あ〜なるほど。それにしても距離近いですね」

中「俺達はあいつのこと好きだから、そういうの気になるけど２人は全く気にしてないだろうな。広樹さんは結婚してるしよ」

高橋さんは既婚者であり、彼らはある意味安心しているのだ。


「お前はこの立ち位置でいいよな？主役だから」

「そうですね、隣はやっぱり置鮎さんですね」

「うん。よし、じゃあこれ置鮎さんに見せとくよ」

「はい、お願いしまーす」

「しかしガッシュから結構共演してるよな、俺達」

ガッシュベル、テニプリ、NANA、Loveless、ネオアンジェリークとなかなか共演が多い２人だった。

「そうですね！もしかしたら愛子さんより私達会ってるかも」

愛子とは高橋さんの嫁。そして同じ職業だ

「愛子も忙しいからね。ナレーションの仕事と吹き替えが多いからな」

「私も吹き替えもっとしたいなー」

「お前はホラーが好きだよねほんと。絶叫クイーンだわ(笑)」

「あははは、なぜかホラー系はオファーが多いんですよ。嬉しいからいいけれど(笑)マネージャーに聞いたら、あまりに気持ち悪かったり怖かったりするから、女性声優はなかなかオーディションに来ないらしいです。だから私に来るんですよね」

「そうかそうか！まあお前が嬉しいならいいわ」

高橋さんは紙を閉じた。


「ところであいつらと帰るの？送ろうか」

「大丈夫です。これからご飯食べに行くので」

「わかった。それじゃあまたな」

「はい」

彼はスタジオに戻っていった。


良「楽しそうだったね。何見てたの？」

「テニプリのイベントの事でね」

中村はやっぱりそうかと言った。

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