10.介抱 ページ33
Aは無事、良平君のお陰で家に辿り着いた。玄関に着くとまた吐き気を催した。
「うぅ…やばい、また吐きそう…っ」
「Aさん、少し揺れるよ」
「…!」
良平君がAをお姫様抱っこという名の横抱きをして、トイレまで向かった。
「吐きたかったらこのまま吐いていいから」
「……っ」
Aはそんなことは絶対したくないと一生懸命口に手を当て抑えていた。
***
思う存分吐いたAは口を濯いで少しベッドに横になった。
「ちょっと台所借りるね。頭冷やしてあげる」
「うん…ありがとう」
良平君はビニール袋に沢山の氷を入れて、Aの額に乗っけた。
「気持ちいい…」
「よかった。まだ顔色は真っ青だけど、
さっきよりはいいよ」
「ごめんなさい良平くん…
せっかく大好きな飲み会なのに迷惑かけて」
「いいよ、Aさん居ないとつまらないし。
それに柿原妹がウザいから。兄妹よく似てるよ」
「ふふ、それだけ良平くんの事が好きなのね。
ウザいくらいに」
「俺は嫌だよ。好きな人いるし」
「………」
そういうとAは目を瞑った。
「その人は気づいてないみたいだけどさ…」
「そう、なんだ…」
「Aさんは好きな人いる?」
「…気になる人はいる、かな」
「……え、誰?」
良平君は少し焦る。
「ヒミツだよ、誰にも言ってないの」
「親友の坂本さんにも?」
「うん」
下野か福山さん、もしくはのぶ君かもしれないとか思った良平君はもっと好きになってもらえるよう努力しようと考えていた。
「じゃあAさんの事いっぱい見るから」
「え?」
「行動とか表情とか見て、
誰のことが好きか当てるからね」
「えーそれは嫌だよ〜」
「これからネオアンジェリークで一緒にいるんだし
いいよね見ても。てかいつも見てるけど(笑)」
「ほ、ほどほどにね…;」
「ははは(笑)手を握ってあげるから、
眠るといいよ」
「うん、ありがとう…
片頭痛なんて久しぶりになったわ。
ここ2年くらい大丈夫だったのに」
「ストレス溜まってるんじゃない?片頭痛には
納豆とかひじきとか食べるといいらしいよ。
マグネシウム大事だって」
「そうなんだ、良平くん物知り。
たくさん摂ってみるよ、ありがとうね」
弱々しく笑い、Aは再び目を瞑った。そんな彼女を愛しく思う。
(このまま愛してるなんて云ったら…Aさんは
どんな
でも今の関係が壊れるのも嫌だ)
云いたくても云えないと一人悩むうちに、彼もAのベッドの脇に伏せて眠ってしまった。
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里華(プロフ) - いえいえ(*´ω`*) (2019年11月10日 22時) (レス) id: bd3c5a3ca6 (このIDを非表示/違反報告)
touko(プロフ) - 里華さん» はーい!ありがとうございます\(^o^)/ (2019年11月10日 22時) (レス) id: b3016f9a01 (このIDを非表示/違反報告)
里華(プロフ) - toukoさん、更新等忙しいと思いますが、頑張ってください!応援してます(*´ω`*) (2019年11月10日 21時) (レス) id: bd3c5a3ca6 (このIDを非表示/違反報告)
touko(プロフ) - 里華さん» ありがとうございます(⌒▽⌒)頑張ります! (2019年11月10日 21時) (レス) id: b3016f9a01 (このIDを非表示/違反報告)
里華(プロフ) - toukoさん忙しい中レス返信ありがとうございます!とても嬉しいです!読んでいてとても楽しいです!これからも楽しみにしてます! (2019年11月10日 18時) (レス) id: bd3c5a3ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:touko. | 作成日時:2019年9月11日 8時