【テニプリ】青学の王子様［手塚国光］

seigaku.15 ページ15

次の日
昨日の雨が嘘のように久々に晴れたので、
朝練があるようだった

「おはよう手塚」

「ああ、おはよう」

不二が挨拶をしてきた


「昨日はすごい雨だったね。今日は雲一つないよ」

「雷も凄かったな」

「どうやって帰ったの？僕は姉さんに迎えに来て
貰ったけれど…」

「水野の親御さんに送ってもらった」

「水野カツオくんかい？」

「違う」

「え…Aちゃん？」

「ああ」

不二は目を開く


「なんで？」

「水野と生徒会の仕事をしていたんだ。
彼女の弟と桃城が来て、ついでに送ってもらった
というわけだ」

「なんだ、桃も一緒だったんだね」

「そうだが？」

いつもの表情に戻った不二


「ならいいや。桃と弟くんも一緒なら」

(一体なんなんだ…)

手塚は無表情ながらも不二の言動にやきもきしていた




＊＊＊

1組のホームルームは席替えだ
くじを引いて、黒板に書かれている席の番号を見る


「おはよう手塚くん」

「水野、おはよう」

「楽しみだなぁ席替え。後ろがいいなー」

「そうか、俺は出来れば…」

「ん？」

何か言いかけた手塚だが、


「おはよう水野！」

「おはよう手塚君、水野さん」

「あ、内田君に川中さんおはよう」

内田と川中によって遮られた。
内田はAに気があり、
川中は手塚に気があるクラスメイト。

川中は中々人気のある子だ


「席替えだな！後ろがいいよなぁ」

「そうだよね、やっぱ後ろよねっ」

「水野の隣がいいな、なんちって！」

(………あいつも同じことを思っていたとは)

そう、手塚が言おうとしていたことは
Aの隣がいいという事だった
それを内田が言ってしまった。

「どうかな〜、こればかりは運だよね」

冷静に答えるA

「(あんま反応しなかったな…)そうだよな…っ」

もしこのセリフを言ったのが手塚だったら、
彼女はどんなセリフを言うのか…


「私も手塚君の隣がいいなあ」

「水野の言うとおり、運だと思うが」

と手塚は言う


「隣だといいわね、川中さん」

「祈っとかなきゃ！」

(なぜ俺の隣がいいんだ…？)

素朴な疑問。それは気があるからだろう。



チャイムが鳴り、先生が入ってきた


「さてホームルームを始めるぞ〜！席につけー」

「じゃあね手塚君」

「ああ」

Aは廊下側二番目の席についた


「今日のホームルームは席替えだ。
くじを作っておいたから、順番に引きに来い。
こっちからだ。目が悪い、黒板が見えにくい、
そういう理由の生徒は変えてもいいが、
それ以外はだめだぞー」

廊下側の席から引きに行く

seigaku.16→←seigaku.14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す