165話 ページ19
零side
まぁ俺の方が年上だしな、しかたないだろ。多分。
『おい、そろそろ神社着くぞ。いつまでも肩を落とすな。』
「うるせー別に浴衣じゃねーからいいだろー。」
ぷーっと頰を膨らましてワーワーと言っている。ふーん浴衣じゃなきゃいいんだ?ふーん…。
『なら浴衣に着替えろ。』
ニヤリと笑って夜の炎で朔の服を浴衣に変える。朔の容姿の儚さに合う夜の桜が舞い散る刺繍と朔の願いの長寿の意味を持つ蝶の刺繍がされてる浴衣、なんとなくふわりとしていて朔に似合う。ちなみに髪もアップにする。
「ちょっ…何すんだよ零!!」
『暴れるな、浴衣がずれるだろ?それにその浴衣だったらヒバリは喜ぶだろうな。』
「………ムググ…。分かったよ、その代わり零も浴衣に着替えろー!」
俺もか?随分な仕返しだな。
仕方ない、と呟いて夜の炎で浴衣に着替える。俺のは梅の花の刺繍とトンボが飛んでいる刺繍がされている浴衣。髪は下の方で纏めて簪を入れる。
『これでいいだろ?ほら、さっさと初詣するぞ。』
朔の手を引っ張りお祈りする場所まで来る。15円を入れて鈴を鳴らして手を合わせ目を瞑る。
__朔を守れますように__
『よし終わった。俺は帰るからなー、朔はヒバリに襲われんようにな。』
少しふざけて言えばだから成人むかえてからだー!と叩かれる。
はいはいと頭を撫でて神社を出て、並盛町を歩く。
……あ、アミと聖奈も初詣に誘うか。そう思いメールを送る。
ピロンッと返って来たのはいいよと言う文字、しかも二つ。待ち合わせ場所を指定し、俺もそこへ向かった。
***
『お、来たか。二人とも。』
「はい!会長に誘われたので!」
「同じく〜。」
おぉっ……!二人とも浴衣が綺麗だな。アミは牡丹の花がある浴衣。聖奈は水仙の花の浴衣。
どちらも似合っていてとても綺麗だった。
『よし、行くか。』
そう言って初詣をし、三人でいろいろなところへ回った。
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作者名:ゆっくりノワール×夜野兎 x他1人 | 作成日時:2017年12月3日 16時