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「ヌナってちょっと抜けてるよね」
「私も流石にバカだなって思った」
あんなに鍵がないと騒いでいたけど家族の間でいざと言う時のためにとポストに合鍵を入れていたのを忘れていて、それをピリちゃんが見つけたのだった
流石に私だけじゃなくてピリちゃんまでびちょ濡れになってしまったので一旦家に入ってもらってバスタオルを渡す
「上がるまで雨宿りして行って」
「ありがとう」
「こっちこそありがとう。制服濡れちゃったね……」
「そんなこと気にしないで、明日には乾くだろうしダメでもジャージあるから」
そう言って私が渡したバスタオルで髪を拭くピリちゃんがどこか色っぽくて何だかドキドキしてしまって逃げるように何か飲み物、なんてキッチンに向かった
丁度私がお茶を入れたところでジャージに着替えたピリちゃんが「これどうすればいい?」なんてバスタオルを持って聞いてきたのでそれを片してから私もリビングに戻った
「もう雷おさまったみたいだね」
「雨もそろそろ上がるかな」
「……ちょっとだけ、長く降っててほしいなあ、なんて……」
そんなことを言ってきたのに、私がピリちゃんの方を向けば「見ないで!」なんて言ってくるからそれがかわいくて
「ピリちゃんが大丈夫なら、私はもっと一緒にいたいなあ……」
「……っヌナ、かわいい!」
そのまま私に思いきり抱きついてくるからその拍子に座っていたソファの上に倒れ込んでしまい、形的にピリちゃんが私を押し倒したようになってしまって
一瞬、時が止まったみたいに息ができなくて、特に何かアクションが起きているわけじゃないけどこのままピリちゃんの瞳に吸い込まれるような気がした
「ただいまー、A〜?お友達来てるの?」
玄関からまだ帰ってくるはずのないお母さんの声が聞こえてきて私もピリちゃんも勢いよく元の体制に戻って身なりを整えたりするもあっという間に母はリビングに入ってきてしまった
ピリちゃんを隠すことなんて時間的にできなくて、私の後輩であることと、ここまで送ってくれたから雨宿りしてもらっている、なんてちょっとした嘘をついてしまった
お母さんは気づいているのかどこかニヤニヤしながら「雨上がってるよ」とだけ言って寝室の方へ向かって行ってしまった
「ごめんね、お母さん帰ってきちゃって」
「気にしないで!挨拶もできたし……また、部活で会おうね」
前回と同じように玄関で見送ってから家に戻れば母から「彼氏なんでしょ?」なんて、散々からかわれたのはピリちゃんに秘密にしておこうと思う
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白 - キュンキュンしながら一気読みしてしましました…!!素敵な作品を作って頂きありがとうございます! (7月12日 7時) (レス) @page45 id: 4aea3d1271 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - アレキサンダーマックイーンさん» コメントありがとうございます💕喜んでいただけて嬉しいです!本当にありがとうございます🙇♀️ (2022年12月16日 0時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
アレキサンダーマックイーン - ピリちゃん可愛いなと思ったらリノ君にキュンキュンして...,,なんですか、神ですか?素敵な作品をありがとうございました! (2022年12月14日 22時) (レス) @page44 id: 1662cc2da1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 華さん» コメント、感想ありがとうございます!ピリちゃんとのお話は結構こだわって書いてたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです🤦♀️最後までありがとうございました🙌 (2022年9月19日 18時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 語彙力皆無で申し訳ないですがめちゃくちゃ良かったです!四角関係に胸が苦しくなりつつピリちゃんにキュンキュンしていい作品に出会えました。ありがとうございました!完結おめでとうございます! (2022年9月19日 17時) (レス) @page46 id: f0743c2c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2022年3月10日 11時