検索窓
今日:12 hit、昨日:32 hit、合計:269,497 hit

35 夕飯 ページ35

ようやく食事の用意ができ、机を間に 向かい合うように座った

彼はいつの間に買ったのかお酒まで用意していて
大量の芋料理を前に「わっしょい!わっしょい!」と上機嫌である

次々と彼の口に料理が運ばれる
それごとに彼は「うまい!うまい!」と叫び
はじめはちょっとその声がうるさいなと思っていた私も
あまりに美味しそうに食べてくれる彼の姿に だんだんとなれてくる

 むしろちょっと・・・嬉しい

自分も料理を口に運ぶ

 うん、我ながらうまくできている♪

こんなににぎやかな家での食事は久しぶりだとふと思う
彼がいなければ私は一人でご飯を静かに食べていたのだなと気づく


 父が亡くなり、母もいない

 ああ・・・”独り”だったんだな 私


「! A? どうした!?」

「え?あ、いえ、別に」


 いかんいかん

 食事は楽しいのが一番だ!


「おいしくできたなと思いまして」とごまかすように にっこり微笑んだ

すると彼の動きがピタリと止まる
じっと私をガン見してきた
何故だか彼の顔が赤い気がする

しばらくして彼がはっと我に返ったようで「そ、そうか!うまいぞ!!」と
慌てたように御飯を再び口に運び出す


 ・・・? 今の間は一体 なんだろうか???


疑問に思いつつも「うまい!うまい!」と彼の声が再び家中にひびく
私は考えてもわからないので「はいはい」と気にしないことにした


 「Aの料理はおいしい!よい嫁になるな!!」


突然彼が元気よくそんなことを言い出した

いきなり何を言い出すんだと思い彼を見ると、また彼の顔が赤い
じっと自分の反応を見るようにこちらを凝視している

 ・・・ご飯粒が彼の頬についている

 (とりたい)

小さな村では近所の子供や小さい子の面倒は上の子供が見ることが多い
なので私も昔から小さい子の面倒は見ることがあったわけで
彼の頬についたご飯粒が妙に気になる

 (頬のご飯粒・・・とりたい。でも相手は柱だし我慢我慢)

「そうですか。頬にご飯粒がついていますよ?
 いい大人なのですから ちゃんとしましょうね」

そういう私の口調は小さな子供に言うような感じだ
自分でとってもらうよう大人の対応をする


 よい嫁?

 まず貰い手などおりませんが???


私の応答に彼の眉が残念そうに下がる
しょぼーんとしたような彼の空気に「何故に?」とまた疑問に思った


だがしばらくして彼が再び自分をじっと見てきた


その瞳は真剣なもので、私はその瞳にごくりと唾をのむ

36→←34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (103 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
328人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ソラノ(プロフ) - ・・・hit数がおかしい。6000? エラーかな? (2020年7月1日 17時) (レス) id: b7916d63a5 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 有難うございます。煉獄さん良いですよね!!!! (2020年6月4日 20時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)
marinesvictory1(プロフ) - 煉獄さん本当に大好きなので読んでて幸せです。゚(゚´ω`゚)゚。更新めっちゃ楽しみにしています!! (2020年6月4日 1時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい! (2020年6月1日 22時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 読み返して気になったところは直していきます。すいません (2020年5月31日 18時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ソラノ | 作成日時:2020年5月17日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。