38 （百視点） ページ38
前世のAではない
前世のAはすでに 生まれ変わって・・・
”俺”のように いるわけがない
そう言い聞かせながらも 俺は目の前のAから目が離せないでいた
「お前が俺の・・・ ”お迎え”なのか？」
俺らしくもない言葉を告げると 女はただでさえ大きな瞳を丸くする
そして 今度は困ったように悲し気に笑った
女がしゃがみ 指をのばす
俺の髪に 優しく触れる
子供を寝かしつけるように 髪を優しく何度もなで続ける
歌を・・・ 歌ってくれた
俺が一度だけ聞きたいと言った 子守唄
お前はそれから たびたび俺に 子守唄を歌ってくれた
”それが俺にとって”
”どれだけ 癒される時間だったかを”
” お前は結局 知らずじまいだった −−− ”
「ちゃんと 幸せになってくださいって・・・ 言ったじゃないですか
まさか死んでまで 私をストーカーしてるとは 思ってませんでした
尾形さんて かなり執着が 強いんですね
私のどこを好きになられていたのか 正直 謎です」
歌い思わると 女はその場を立ち上がる
俺に背を向け どこかへと立ち去ろうとする
！？ まてっ・・・！ どこへ行く A！！？
−−− いくなっ！！ 行くな A！！！
俺をおいていくのか A！
俺を・・・
「また ”独り”にするのか」と 必死に叫ぼうとするが 今度はとうとう声が出ない
俺の体は やはり動かないまま
動けっ・・・ 動け くそ・・・っ！
「大丈夫・・・ まだちゃんと 幸せになれますよ」
−−−！
「大丈夫・・・ ほら 耳を澄ませてください」
「あなたを呼ぶ声が 聞こえるでしょう？」
”・・・く・・・ 百！”
誰かの声・・・ 必死に俺の名を呼ぶ声が耳に届く
木々が揺れ 木の葉が女の姿を隠していく
女がゆっくりと 最後に振り返る
そして
「 −−−− 」
女の姿が光とともに 消えた
ほほ笑んだ笑顔はずっと生きていたころ 探し求めたもの
手に入らなかったもの
欲しかったもの
死に顔ではない
”お前の笑顔が俺の瞳に焼き付いた”
A・・・
”百・・・ 百！”
かすかに、だが確かに ”誰か”の声が俺の耳に届く
俺の体が急に軽くなる
俺の体は浮き出すように 空へと天高く舞い上がる
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ソラノ(プロフ) - 有難うございます。アニメ3期もはじまったのでこっちも書かねばと思いながら停滞していてすいません。 (2020年10月16日 22時) (
レス) id: 2385099feb (このIDを非表示/違反報告)
イロナシ - もう、ソラノ様が書くお話めっちゃ好きです！更新を楽しみにお待ちします！ (2020年10月11日 19時) (レス) id: c1ed0d601a (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 走り書きなのでまた色々書き直すかもですが、とりあえず「日常1」終わりで、「日常2」をまた書こうと思っています。それこそ本当に小ネタというか勉強見てもらうとか、学校とか修学旅行とか、なんか思いつくままに！！！ (2020年2月22日 1時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - もうすぐで50！とりあえずこの話はこれで終わって本当に日常編を書こうと思う。尾形さんに勉強見てもらうとか、修学旅行とか買い物とか色々書きたい (2020年2月2日 11時) (レス) id: 6946561589 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - うん、しばらく書いていなかった分 一気にＵＰしました。でも本当に一気に書いたので所々また書き直すかも・・・です。すいません (2020年1月18日 16時) (レス) id: ae51a2c0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラノ | 作成日時：2019年11月4日 21時
