五十七 酔い ページ7
私は正直 「え？ 今 それを聞くの？」と ちょっと尾形さんの質問に引いてしまった
聞き間違いかと考えるが 彼の眼は私の目をとらえて動かない
答えるまで 待っていそうだと 冷や汗が出る
そして 少しどころではない。 彼は完全に酔っぱらっている
先ほど大量のお酒を飲んでいても平然としていたので「強いなぁ」と思っていたのだが
あれは やけ酒だったのかもしれない
周りの杉元さん達には今の質問は聞こえていなかったのか 酒盛りは止まっていない
少し離れた所で白石さんが躍り それを杉本さん達が見てケタケタ笑っている
私と尾形さんだけが 別空間のようだ
「け・・・ 結婚していませんもん。 当たり前で、しょう？」
どもりながらもそう答えると 彼にぎゅっと抱きしめられた
思わず 固まる
嬉しそうに首元にすり寄られる
だ・・・ 大丈夫！！ 周りには 酔ってるけど 杉元さん達もいるし！！
そう思い冷静を取り戻そうとする
だが 耳元にすり寄ってきた尾形さんは しばらくしてその動きを止める
ぎゅっと抱きしめる力が強くなった
思わず「苦しい」といいそうになった時・・・
「皆殺しにするところだったぜ」
「！？」
−− それは地は這うような低い声だった
私は思わず 目を見開いた
言葉を飲み込んだ
−− それが本気だと 気づいてしまった
彼の「皆殺し」が どこまでの範囲をいうのかはわからないが
今 私が住んでいる村は きっと無事ではすまなかっただろうと感じた
「あ・・・ の・・・」
アシリパさん達に助けを求めようとした
だが 彼が少し私から離れる
その瞳を見て 声が再び出せなくなった
暗く・・・ 深い・・・ 闇のような瞳がじっと私を愛しそうに見据えていた
そのまま頬を優しくなでられる
しかしそれも その瞳を向けられたままでは 恐怖しかない
「俺は お前を愛している・・・ わかるよな？
いい加減 わかるよな？？」
酔っている・・・ 水だ
水が必要だ！
彼の酔いをさまさないと・・・ 早く・・・
脳ではわかっているが 言葉が出てこない
なんとか 「尾形さん」と彼の名を絞り出すと 「お前は頭が悪いのか？」と
顔を強く押さえつけられた
唇が重なるほどに近くまで 彼の顔が近づけられる
「百之助だ・・・ A」
っ！！
彼の舌が私の唇をなめた
私の体が硬く固まる
悲鳴をあげればいいのか 泣けばいいのか わからない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラノ(プロフ) - ちょっと気になるところ修正していきます (2019年1月20日 18時) (
レス) id: 340c9221f0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - とりあえず 少しずづ進展していってほしいので、そろそろＲ18専用Ｐも作るか、皆様の想像におまかせして書かずにいくかでちょっと考え中です (2019年1月17日 2時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 94話の後はちょっとＲ18なのか（いれないけど）なんか行為的なもの少し入れようかと思うので、それは他Ｐで書こうと思います。いつになるかは不明。このまま書かないかも？もあります。う〜ん・かかずに想像にお任せがいいのかな？このＰの95からは普通に戻します (2019年1月17日 2時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 考えた。別Ｐに「その話の間」ということで Ｒ18かな？という きわどいかな？と思うのを そっちにまとめようかと思います。Ｒ18かも わからないので (2019年1月16日 6時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - おあずけくらいまくればいいと思って書いてます。すいません (2019年1月16日 6時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラノ | 作成日時：2019年1月4日 3時
