六十七 少年 ページ18
もう来ないと思っていた
本当にくるかは 半々だと思っていた
だって・・・
村の人に「許嫁がいたの？」と聞かれ 私はその場に固まった
海で尾形さん達に会った後だった
家に入ろうとした時 村のおばさんに声をかけられた
「今 診療所にあなたの許嫁っていう子が来てるわよ！ 遠い所から来たらしいわ！
早く会ってあげなさいな」
−− 子？
私は「人違いでは？」と首を傾けた
だがその少年は私の風貌など詳しく答え、また「5年前に約束したのだ」と告げたらしい
−−5年前・・・
私は村に唯一ある診療所へと足を運んだ
息をのむ
本当に・・・ 来た・・・ のか？
曽祖父の事が頭をちらつく
君は・・・ あの時・・・
診療所につき 奥の部屋にいると案内された
「人違い」ではないのか・・・
それも扉をあければ 判明する
部屋は個室のようで どこか具合が悪いのかとも不安になる
扉の前でノックをするのを一度とまどい・・・
−−−コンコン
中から「入っていいよ」と声がした
その声には聞き覚えがあった
私はゆっくりと・・・ 扉を開ける
「・・・・・」
中はカーテンも閉められ 少し暗かった
ベッドの上に一人の・・・ 「少年」が座っていた
「・・・あ」
5年前のことが脳裏に濃く蘇る
少年は5年前と あまり変わっていない風貌に見えた
あえて言うなら アシリパさんより少し年上くらいに見えるが それでも・・・
あれから5年もたっているはずなのに その姿には 違和感を覚える
だが・・・
「久しぶり」
うつろで黒く・・・ あの時と同じ寂しげな瞳
だが その瞳は私に会えたからなのか 少し嬉しそうにも見えた
声変わりもまだなのか その声はまだ少年のままっぽい
少年は懐かしそうに じっと私を見据えていた
「やっと会えた」と嬉しそうに 口元が笑う
「A・・・
約束を守りに来た」
−−−ドクン
少年がベッドから降りる
そして私の方へ近づいてきた
すっと私の手を取り 身長差から 私を見上げてくる
「・・・あ」
声が続かない
色々聞きたいことがあった
でも一体何から・・・？
戸惑っている私を見て 彼がにんまりと・・・ 笑った
その笑みにどこか私は背筋に冷たいものを感じた
「ねぇ・・・ A・・・
君 ”人魚”と一緒にいるの？」
−−−っ！！！？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラノ(プロフ) - ちょっと気になるところ修正していきます (2019年1月20日 18時) (
レス) id: 340c9221f0 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - とりあえず 少しずづ進展していってほしいので、そろそろＲ18専用Ｐも作るか、皆様の想像におまかせして書かずにいくかでちょっと考え中です (2019年1月17日 2時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 94話の後はちょっとＲ18なのか（いれないけど）なんか行為的なもの少し入れようかと思うので、それは他Ｐで書こうと思います。いつになるかは不明。このまま書かないかも？もあります。う〜ん・かかずに想像にお任せがいいのかな？このＰの95からは普通に戻します (2019年1月17日 2時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - 考えた。別Ｐに「その話の間」ということで Ｒ18かな？という きわどいかな？と思うのを そっちにまとめようかと思います。Ｒ18かも わからないので (2019年1月16日 6時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - おあずけくらいまくればいいと思って書いてます。すいません (2019年1月16日 6時) (レス) id: cf0cfa8257 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラノ | 作成日時：2019年1月4日 3時
