まだまだ鍛錬不足です 番外or短編【鬼滅の刃】【煉獄杏寿郎】

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私は仕方がないと懐から裁縫道具をとりだした

任務中、鬼など相手にしていれば服が破れることもあり
肉がちぎれた際も最悪応急処置はできるので、普段から道具は持ち歩くようにしている

できるだけ早く塗ってしまおうと大きく破れた所などを縫い合わせていく

しかし縫いだすと細かな点も気になってくる

いくら頑丈とはいえ、ホツレなどは出てくるものだ


気が付くと結構集中して細かい所まで直していた

「君は家事がよく似合うな」と炎柱様に声をかけられ、我に返った


私に背を向け寝ていたはずだと思ったが、いつの間にか彼はじっと私を観察していたようだ
畳の上に横向きで寝転がり、左耳に手をかけじっとこちらを見ていた


　”人が裁縫をしている姿など眺めていても暇だろうに”


しかし彼は何故か楽しそうに にこにことほほ笑んでいる


　・・・機嫌は直ったのだろうか？？？


「・・・裁縫はいつも千寿郎君に任せてるんですか？
　少しはご自分でもやらないと」

「？ いや、自分でやっているが？」

「・・・は？」


彼の言葉に思わず「は？」と彼を見る

ちょうど縫い終わり、裁縫道具をしまう所だった手が止まる


　・・・いつもは自分でやって・・・いる？？？


　”だったら何故私に今、頼んだのだ？”



そんなに私は暇そうに見えたのかと思うと「心外！！」という気持ちになる

ちょっとは おちつく時間くらいあってもいいじゃないか！！



私はなんだか腑に落ちない気持ちになり「では次からはご自分でしてください」と
彼に羽織を渡した

「”人に任せられない 大事なもの”なのでしょう？」と嫌味をついでに言ってやる！


彼は寝転がっていた体を起こすとその場に胡坐をかき「うむ！有難う！」と
それを元気よく受け取った

ここにいても休憩の続きはできそうにないので、どこかへ移動するかと考えていると


「これは煉獄家代々の大事なものでな！ 他人には任せられないものだ！

　なので次も君に頼もうと思う！」

と彼が見当違いなことを言ってきた


「・・・は？」


言っている意味がわからないのですが 炎柱様？

熱でもあるんですか 炎柱様？


ちょっと彼の言動が不安になったので彼の額に「失礼します」と手をあてた


　 熱は・・・ たぶんない？(彼なら平熱？)


彼はそれに少々驚いた風だったが、ニッコリとまたほほ笑んだ

彼が羽織の私が縫った箇所を愛しそうになでていた




　ーー その言葉の意味に私は気づかない・・・

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