人魚尾形にしつこく海にひきずりこまれます【ゴールデンカムイ】

二十四 ページ24

白石さんの話を色々聞いていたら 太陽の位置がかなり動いていた
始めは尾形さん(何百年も生きている人魚だと聞いたので、さんを付けることにした。一応)
の話だったが 海の中の話だとか聞いていると とても面白かった

一通り話し終えると 彼は再びニッコリ私に微笑んだ

「でも本当助かったよｖ 助けてくれてありがとう♪ 本当 Aちゃん 優しいねぇ〜♪」

・・・・・・・・・・ん？

ふと疑問が浮かんだ。 あれ？ 私自分の名前言ったけな？
尾形さんには言っていない。なんとなく。
白石さんには・・・ ん？？？

「あ、ごめんごめん。君の事しらべていたから 名前くらいは知ってるよ？
　気を悪くした？」

そう言って「ごめんね」と再び謝る彼に そういうことかと「別にいいですよ」と苦笑い

彼にとっては死活問題でもあったのだろう。
そのうえで私の事を調べたというのであれば 多少のことは仕方がない・・・ というか・・・

　 両親の事も・・・ 知って・・・？？？

ちょっと表情が暗くなると 彼が私の前で 変顔芸をはじめた

気を使ってくれたのだろうか？
その気遣いがなんだかとても暖かかった

思わずその場に私の笑い声が響く

でもそろそろ白石さんは海へ帰った方がいいと思う
長居をすると やはり村の人間か 誰かに見られる危険があるから

そう言うと 彼が「本当に優しいねぇ」と、私の左手をとると手の甲にすっとキスしてきた
思わず顔が真っ赤になってしまった

なんてスマートにキスしてくるんだ この おタコさんは！！！

しかし次の瞬間・・・

　目の前から白石さんが消えた

「・・・え？」

何か水のようなものが びゅっと飛んできたかと思ったら白石さんの頭を打ちぬいて
白石さんの体が数メートル先まで吹っ飛ばされていた

「し・・・ら石さん！！？」

思わず駆け寄ろうとしたが それはかなわなかった
両肩に強い痛みが走ると同時に 私の体は後ろにひかれる
そしてそのまま海の中へ引きづりこまれた


とても見覚えのある腕がちらりとうつった


　あ・・・ ヤバイ？

二十五　キス→←二十三

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