１７４話 ページ34
4人は服を私に預け、木の柵で囲われた中に入る。熱気に闘気、殺気に溢れたこの空間で観客までもが今か今かと勝負の始まりを待つ。
｢おー、本当に始まった｣
私は試合中の被害を受けないよう、会場の壁へ寄りかかりながら試合を見る。
(あの4人、犬を返してもらうっていうの忘れてないよね？)
しかし軍人としてのプライドのことを考えても、あの挑発をされたら断れるわけない。
｢……それにしても強いな｣
試合が始まって、まだ5分も経っていないと思う。杉元たちは次々に相手を倒していき、残すはあと2人。
｢おや？これは…珍しいお客さんだ｣
｢ん゛…！？｣
いつの間にか横にいたメガネの巨漢。男は驚いた顔のまま私の目線まで屈む。
｢子供というだけでも珍しいが、女性ですか？しかも…｣
ずいっと男の顔が私の顔に近づく。
「緑っぽい青色をした瞳？どこかで聞いたことがあるんだが、どこだ？」
男は目を力強く瞑ると、体勢はそのまま悩み始めた。それにしても目の事言われるの、なんか久しぶりだな。
(緑っぽい青色をした瞳…か。なんか前にも言われたような。ところで…)
いつまでこのままなんだろう、顔が近いからキラキラの圧が強い。
｢あの……｣
｢あぁ、すまないすまない｣
男はにこりと微笑むと、背筋を伸ばして体勢を戻す。
｢岩息舞治と申します｣
(存じております)
あの牛山さんと互角に渡り合える数少ない人。印象に残らないハズがない。
｢私の名前はAAです。岩息さん｣
お互いの自己紹介が終わると同時、観客の歓声が上がり、杉元たちの試合が終わったことを私たちに伝えた。
続く (更新停止中)
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華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
