１５１話 ページ10
「後見人……って、人の後ろ楯となって世話する人、でしたっけ。養子じゃないんですか？」
その前に、なんでそういう話になるんだ？鶴見中尉は一度頷く。
「そうだ。私はどちらでも良いんだが、Aくんはどちらが良いかい？」
「いや、どちらが良いかと言われても……」
急すぎて頭の整理が追い付かない。
「そもそも、何故私の後見人になりたいんですか」
「Aくんが情報を集めるのが得意だと杉元から聞いた」
杉元お前私の情報喋りすぎじゃないかな!？
(どんだけ私信用無かったんだよ……)
私は溜め息をつき、鶴見中尉は話を続ける。
「君の情報収集能力と、育ちの家で培った戦闘力。その二つを兼ね備えたAくんが、私たちは欲しい」
「軍に入れることが出来ないから、鶴見中尉の保護下へ置いたほうが効率が良い……そういうことですね」
「話を受けてくれるなら、Aくんの衣食住は確実に保証しよう」
鶴見中尉は体勢を戻すと組んでいた手を太股へ置く。
(……悪い話ではない、と思う。けど)
「何故、鶴見さんは正規の手続きをしてまで私を手元に置きたいんですか」
『鶴見さん』からの頼みということは、鶴見中尉にも、それなりのメリットがあるはず。自惚れた言い方になったのは言ってから後悔した。
「私がAくんを欲しいから。それ以外に理由は要らない」
よくそんな歯が浮くようなセリフが言えるな。しかし、ハマってしまうのがこの人の恐ろしいところだ。
「いきなり来てすまなかった。返事は今でなくても良いが、できるだけ早く決めてくれると助かる」
鶴見中尉は椅子から立ち上がると、静かに病室から出ていった。
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華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
