１４７話 ページ5
ふわふわとした、クリーム色の空間。見慣れてしまったこの光景が、私の目の前に現れた。
(今回は聞きたいことが山ほどある。早くおじいちゃん神様を見つけないと)
短くなった髪を手でとかし、少し整える。
「“聞きたいこと”とは、具体的にどんなことなのだ」
後ろから声が聞こえ、思わず振り返る。声色と顔つきからして、あのおじいちゃん神様で間違いない。
「やっぱり、お見通しなんですね」
「まあ、神様じゃからな」
「具体的に、と仰いましたが、私が知りたいことは１つです。」
神様は何も言わず私を見る。
「私があの道場、家で育った理由です」
神様は哀しそうな顔をした後、ゆっくりと口を開く。
「お前さんの知りたくない情報まであるかもしれん。それでも良いのか？」
「……構いません」
今更「やっぱりナシ」なんてこと、言うわけない。神様は一度頷くと、私に真実を語り出した。
武器商人だった父バロルと、樺太アイヌの母の間に生まれたコルニ。コルニには五つ上の兄がおり、村には兄と同い年のウイルクがいた。三人はいつも一緒に野山を駆け巡り狩りをし、バロルから日本語の読み書きを教わっていた。
「待って下さい、祖父は他人に日本語を教えられるほど日本語が出来ていたんですか!？」
私の記憶の中での祖父は、片言の日本語をしゃべっていた。
「当たり前じゃ。バロルの商売相手は大概日本人なんじゃから」
なんでわざと片言の日本語をしゃべっていたんだ？
「……話を戻すぞ」
キロランケと出会った三人はロシアへ渡り、バロルは妻が病死したため本業だった武器商人を再開し、拠点を小樽へ置いてそこへ移り住んだ。
数年後、バロルへ一通の手紙が届く。コルニからだった。『結婚し、子供が生まれたので近いうちに小樽へ行く』という内容が書いてあり、バロルは喜んだ。息子との再開、初めての孫。期待に胸を膨らませ、コルニたちが来るのを待った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
