１３７話 ページ45
宿舎を離れ、壁を伝いながら歩くこと数分。風が強く、辺りは依然として深い闇に包まれている。
「……舎房にいるのっぺら坊は、偽者ですね」
現状を確認するため、前を歩く土方さんに尋ねる。
「そうだ」
「本物がいる場所へ行くんですか」
土方さんは止まることなく歩みを進める。
「何故、私も同行する必要が？」
私が同行して、いったい何の役に立つのだろう。土方さんが立ち止まり、振り返ると、
カンカンカンカンカンカンカンカン……
瞬時に耳を塞ぎたくなる程甲高い鐘の音が周囲に響く。分かってはいたが、こうも煩いとは。思わず肩に掛けていた銃を構えたが、土方さんに制される。
「急ぐぞ」
壁際を離れ、足早に舎房方面へ向かう。
ドンッ ドドドドンッ
「………ッ!？」
壁の向こう側から激しい爆発音と振動が伝わる。舎房から微かに囚人の叫び声が聞こえる。その中に「北鎮部隊」の単語が耳に届き、反射的に土方さんを見る。
「我々の動きは監視されていたか……」
「いつ情報が漏れたんだ……？」
昨日も今日も、インカラマッちゃんに不審な動きは無かった筈なのに。
「侮れんな、情報将校というのは……」
網走監獄の看守は、この際敵にも成らない。第七師団も加わり、今から網走監獄は阿鼻叫喚のちまたと化す。
(気……引き閉めないと)
ポケットに手を当て、手の震えを押さえるように中に入れたマキリを握り締めた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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海豹 - こっぺさん» 毎回、どうやって夢主を原作に組み込むか悩んでいるので、そう言って下さると私も安心します！今後も頑張ります！ (2019年2月12日 15時) (
レス) id: 04b13c318b (このIDを非表示/違反報告)
こっぺ(プロフ) - とても面白くて一話目から一気に読んじゃいました！！設定がすごく好きです……。原作の話にうまく夢主を組み込めててすごいです！！これからのお話もひっそりと読ませていただきます……今後も頑張ってください！！ (2019年2月11日 23時) (レス) id: 333d27e79f (このIDを非表示/違反報告)
海豹 - ハルキさん» 読んでくださりありがとうございます！良い作品にできるよう、精進していきます。これからも読みに来てくださると嬉しいです！ (2019年1月27日 8時) (レス) id: 04b13c318b (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - ゴールデンカムイの夢小説を探していたところ、期待以上に良い作品に巡り会えてとても満足しております。夢主の生い立ちがしっかりしているお陰で違和感が無く、とても読みやすいです。番外編も楽しく読ませてもらってます。今後の展開が楽しみです。頑張ってください。 (2019年1月26日 22時) (レス) id: dc2b322739 (このIDを非表示/違反報告)
海豹 - かほさん» いつも気にかけて下さり、本当にありがとうございます！最近は寒暖差が激しいので、かほ様も皆様も体調にはお気をつけ下さい。 (2019年1月1日 18時) (レス) id: 04b13c318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2018年12月31日 23時
