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SIDE 町田
ランニングという目的でそこに向かったのか
それとも無意識に、はじめから
そこに向かう目的でランニングをしたのか
自分でもわからないが気づけば僕はそこにいた。
彼女は、昨日と変わらない背中で、
そこにただちょこんと座っていた。
髪が長く、座っていると
地面についてしまいそうなほどだ。
今日は、泣いてない。
だけれど昨日と同じように、
気配を殺して彼女に近寄っていくと、
昨日とちがう世界に気づいて足を止める。
彼女は、その綺麗な声で、
綺麗な旋律の歌をうたっていた。
澄んだ声だとはおもったけれど、
こんなにも綺麗な声で唄う人物は、
歌手の中にも見たことがなかった。
彼女の唄う歌は、
涙がこもっているような、
感情があふれているものだった。
彼女は一曲歌い終えると、
ふぅ、とため息をついて飲み物を飲んだ。
そして、後ろにいる僕を、見つめた。
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作者名：紗夜 | 作成日時：2014年3月30日 2時
