第52話 ページ3
―乙骨憂太視点―
あの出来事からしばらくの日数が経過した
季節は真冬へと姿を変え、寒さが更に厳しさを増す日々になっていた
僕は高専の道を五条先生と共に歩いていた
ここ最近で変わった事と言えば、僕の制服が皆と同じ黒へと変わったとこだ
「今更だが夏油の件、君に非はない。優太がいなくてもアイツは必ず
「ですかね…」
隣を歩きながら僕に向かって告げる五条先生の言葉に、僕は歯切れ悪く応える
僕がいなきゃそうはならなかったんじゃ…
「いや、必ず来てたよ」
僕の考えを見透かしたように声を低くしてもう一度同じ言葉を先生は繰り返した
そして、最後の方には小さく聞こえないんじゃないかと思う程度に
”Aがいるから”
とだけ呟いた
それはまるで先生自身に言い聞かせてるようにも感じた
「それからコレ！」
五条先生の言葉に目を横へと向けると先生の手には僕の学生証が握られていた
無くしてもう戻ってこないと思った
「あっ、学生証。先生が拾ってくれてたんだ」
「いや、僕じゃない」
僕が先生に返事を返すと先生は一度それだけ言うと
「僕の親友だよ、たった一人のね」
少し口角を上げながらそれだけを言ってきた
先生のたった一人の親友って…―
「それより憂太、せっかく頑張ったのに残念だったね」
僕の考えを遮るように先生が口を開く
その声色はいつもの冗談めいた感じを含んでいる
「えっ、何を言って―」
「Aの事」
「っ！！！」
最初は分からず聞き返そうとした瞬間、食い気味に先生の言葉が入る
その言葉の単語にA先生の名前が挙がり、一気に言葉に詰まり顔中に再び熱が集まる
も、もうそのことは掘り返さないで欲しい！！
あの後僕はどんな顔をしていたか解らない
気持ちを伝えた達成感と、緊張、恥ずかしさ
そして、一瞬でも感じた幸福感…と、その直後に待ち受けた驚きと衝撃はしばらく経った今でも忘れられない
でも、振られたわけじゃ無い…！
そうだ、あれはまだ気づかれていないだけでチャンスはある！！
僕は勝手にそう解釈することにして笑ってごまかした感覚でいる
「あの時の憂太、顔引きつってたもんね」
五条先生はまた、僕の考えを見透かしたように言うと
”ぷぷっ”と吹き出し笑いをしてくる
「わ、わざわざ言わなくても！」
「ちなみにだけど、憂太の少し前に僕も同じ目に遭ってるから」
「えっ……」
僕が五条先生を止めようと言葉を口にした直後に先生がまさかの衝撃な言葉を口にした
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エラ(プロフ) - 弓月有無％さん» コメント頂きありがとうございます！最後まで読んでくださり、大変嬉しく思います！その上、感動して頂けたみたいで作品を作って良かったと思いました。現在、本編の更新が止まっておりますが、いずれ再開させたいと考えておりますのでお待ち頂ければ幸いです！ (4月8日 0時) (
レス) id: d4d4c93c1f (このIDを非表示/違反報告)
弓月有無％(プロフ) - 完結おめでとう御座います！！本当に凄く感動しました！面白かったです！あとがきの通り原作もリスペクト?されていて、流れも上手いなと思いました！此方から知ったので本編の方も楽しく読ませて頂きます！これからも応援しております〜！コメント失礼いたしました (3月28日 19時) (レス) @page7 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - ベルギーチョコさん» ご指摘ありがとうございました！気付かず忘れていたので助かりました。 (2022年4月13日 9時) (レス) id: d4d4c93c1f (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - オリフラ立っちゃってますよ〜 (2022年4月13日 7時) (レス) id: 6938e81241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エラ | 作成日時：2022年4月13日 0時
