第75話 ページ29
ハリーside
クィレルが何か呪文を唱えた。
するとAがバタンと倒れてしまった。
ﾊﾘ「A！！！」
僕は慌てて駆け寄ろうとした。
ｸｨ「動くなポッター！！...動くな。少しでも変な真似をしてみろ。こいつがどうなっても良いのならば...な。」
クィレルはそう言って不気味に笑った。
僕は従うしかなかった。
ｸｨ「さぁ、鏡には何が映る？あぁ、見えるぞ。賢者の石を持つ私が。どうやって手に入れる？」
クィレル先生が鏡を覗きながら言った。
？「...その子を使え。」
突然謎の声が聞こえ、クィレルに僕を使うように命じた。
ｸｨ「ここへ来い、ポッター！早く！答えろ…何が見える？どうした、何が見える！？」
クィレルが僕を鏡の前へと引っ張った。
鏡の中を除くと、僕が賢者の石を持っていて、それをポケットに入れて僕に微笑んだのが見えた。
するとポケットに重みを感じ、恐る恐る手を入れてみると、先程まで入っていなかったのに、そこには確かに賢者の石があった。
僕は驚きを隠せなかったが、咄嗟に嘘をついた。
ﾊﾘ「ぼ、僕がダンブルドアと握手してる。グリフィンドールが優勝して…」
？「嘘だ...！」
ｸｨ「本当のことを言え！何が見えるんだ！？あいつがどうなってもいいのか！？」
クィレルがAを指さしながら言った。
？「...わしが直に話す。」
謎の声がそう言った。
ｸｨ「あなたはまだ弱ってらっしゃいます。」
？「その位の力ならある。」
するとクィレルは頭に巻いていたターバンを取って後ろを向いた。
そこには今まで見た事がないくらい恐ろしい顔があった。
蝋のように白く、血走った目で僕を見ている。
こいつが誰かは直ぐにわかった。
？「...ハリー・ポッター。また会ったな。」
ﾊﾘ「ヴォルデモート…」
ｳﾞｫﾙ「そうだ。見ろ、この姿。こうして人の体を借りねば生きられぬ、寄生虫のような様をユニコーンの血でかろうじて生きているが体はとどめられなかった。だからあるものさえ手に入れれば、自分の体を取り戻す。そのポケットにある石だ。」
僕はヴォルデモートが言い終わるか終わらないかのうちにAを抱きかかえ走り出した。
ｳﾞｫﾙ「捕まえろ！馬鹿な真似はよせ。死の苦しみを味わうことはない。わしと手を組めば良いのだ。」
僕は段差につまづいて、その場に倒れ込んだ。
ﾊﾘ「嫌だ！」
そう言うと、ヴォルデモートと楽しそうに、そして不気味に笑った。
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作者名：sky doll | 作成日時：2019年10月19日 9時
