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同じ大学だと言うから会ってみたいと言うと、すんなり紹介してくれた。
最初は、どんな綺麗な人なのだろうと心構えていたが、実際に紹介されたのは、小柄で目がクリクリとして小動物みたいな男の人だったんだ。
同性だったのには一瞬驚いたけど、嫌悪感なんてなかったし、逆に俺の周りにいる女の子たちよりも可愛いと思った。
俺やガヤと違ってその人は、明るく活発的な感じで、人の目を見て話す人だった。
怖い人かなとか思ったけど、思い切って仲良くなりたいと伝えると、笑って快諾してくれた。
紹介されたその日から「ミツ」「玉」と呼び合うようになって、先輩っていうよりは甘えられるお兄ちゃんみたいな感じだった。
二人とも優しくて、甘えさせてくれて、同じ学年の友達といるよりも、居心地がよく大好きだった。
「ガヤ〜、早く食堂行こうよ〜!ミツから催促きてるんだけど」
「ちょっと待って!…あ、ヤベッ…俺にも電話かかってきちゃった」
ガヤとミツを見ていると、本当にお互いが好きを通り越して愛し合ってるんだなって思うぐらい、お互いを信頼し大切にしているのが分かった。
ガヤがミツを見つめる目は、俺に向けられるのとは違う、愛しいものを見守る愛に満ちていた。
そんな愛を真っ直ぐに向けられるミツを羨ましく思ったし、いつからか俺にもその目を向けて欲しいと思うようになってたんだ。
ー ガヤの愛を俺に向けて欲しい。ガヤの心が欲しい ー
と、生まれて初めて、自分から求めたんだ。
でも、ミツを嫌いになるとかはなく、今のままで良いって思ってた。
ミツの存在で、ガヤが幸せでいられるならと。
それでも、ガヤを好きな気持ちはなくならないし、少しでも意識して欲しくて、今まで以上にアピールした。
側に居たくてガヤと同じ学校に赴任できるように頑張ったんだ。
仕事終わりに、久しぶりにガヤと二人きりで飲みに来た。
嬉しくて、本当は少しでも近くにいれるように隣に座りたかったけど、本当に壊れちゃうんじゃないかと思うぐらいドキドキしてたから、向き合うように座った。冗談っぽくドキドキしてるって言ったら、ガヤは流してたけど。
しばらく話しててミツの存在を思い出した。
だから、深い意味はなく聞いたら、思いもよらない答えが返ってきた。
二人の仲を壊そうとは思わないけど、ミツがガヤを大切にできないなら、俺が側にいて大切にしたいって思った。
だから、言ったんだ。
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ももは(プロフ) - ぴーちさまー!初作品お疲れ様でございました!とてもとてもステキなお話でした(;▽;)モテるFさんが色男すぎて、Tさんにも新たな出会いがみえて…明るい方向へと歩む光がとても素敵でした(><)安定のKさんは、かっこかわいい☆また次回作気になります…! (2019年11月18日 8時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ももはさん» ももはさまー!早速読んでいただき、ありがとうございます(≧∇≦)切ない始まりですが、ちゃんとハッピーで終われるはずです。ももはさまの作品の足元にも及びませんが、頑張って更新していけたら良いなと思っておりますので、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2019年10月29日 14時) (レス) id: 8b3214628f (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - ぴーちさまっー!初作品ありがとうございますっ!話の続きにわくわくが止まりません…!乙女Fさん、ふるゆわTさん、頑張り屋のKさん、切なくて既に胸がきゅーっとしています(><)ぴーちさまのペースで続きをお待ちしております! (2019年10月29日 7時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーち | 作成日時:2019年10月29日 0時