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久しぶりに二人きりになった空間。
自分の部屋に、藤ヶ谷がいるという事実。
そして…
さっき言われた数々の言葉。
色んなことが一気にありすぎて、頭の中がパンクしそう。
でも、何よりも
藤ヶ谷が……太輔が……この瞬間だけでも、俺一人を瞳にうつしてくれているということ。
それが、何よりも嬉しいと思ってしまったんだ。
藤ヶ谷が近付いてきて、そっと俺の頬に触れて冷たい雫を拭ってくれたんだ。
そこで初めて、俺は自分が涙を流してることに気付いた。
「宏光……泣かないで」
「………たいすけ……?」
「お前に泣かれると、俺ヤバイから」
本当は、今すぐ抱きつきたい。
抱き締めてほしい。
でも、その前に聞かなきゃいけないことがあるんだ。
「もうお前には玉がいるのに……まだお前のカップ持っててゴメン……でも……何で……また名前で呼んだの?」
泣きながら、謝りながら、それでも確かめなきゃいけないって思ったんだよ。
そうしなきゃ、何も前に進めないような気がして。
フワッ
懐かしい大好きな香りに包まれた。
そう、藤ヶ谷が俺を抱き締めたんだ。
「何で、こんなことするの…?」
「ごめん…」
「俺たち、別れたんじゃないの?玉は?」
「うん…ごめん…」
「…………」
「…………」
藤ヶ谷は、何を言っても「ごめん」しか言わなかった。
そのごめんは、どんな意味?
藤ヶ谷の考えてることが、全くわからない。
そんなことを考えたら、余計に何がなんだか分からなくなった。
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ももは(プロフ) - ぴーちさまー!初作品お疲れ様でございました!とてもとてもステキなお話でした(;▽;)モテるFさんが色男すぎて、Tさんにも新たな出会いがみえて…明るい方向へと歩む光がとても素敵でした(><)安定のKさんは、かっこかわいい☆また次回作気になります…! (2019年11月18日 8時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ももはさん» ももはさまー!早速読んでいただき、ありがとうございます(≧∇≦)切ない始まりですが、ちゃんとハッピーで終われるはずです。ももはさまの作品の足元にも及びませんが、頑張って更新していけたら良いなと思っておりますので、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2019年10月29日 14時) (レス) id: 8b3214628f (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - ぴーちさまっー!初作品ありがとうございますっ!話の続きにわくわくが止まりません…!乙女Fさん、ふるゆわTさん、頑張り屋のKさん、切なくて既に胸がきゅーっとしています(><)ぴーちさまのペースで続きをお待ちしております! (2019年10月29日 7時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーち | 作成日時:2019年10月29日 0時