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21 F ページ21

北山のことを考えないようにしてから、数週間。
何事もなく、玉と二人で穏やかな時間を過ごせる様になったことに、心が暖まる感じがしていた。
きっと、このままもっと時が過ぎれば、玉のことを「愛してる」と言えるようになるだろう。





テスト期間が終わり、生徒たちは数日後から始まる休みに心を踊らせているようだ。

仲間とどこへ遊びに行くか、何をするか、楽しそうに話し合う声が、廊下を歩いていると四方から聞こえてくる。

そんな声を聞きながら、自分の学生時代を思い出し、自分の休みは何をしようか……と思ってみた。
実家に帰るのもありだし、地元の友達と久しぶりに飲みに行くのも良いだろうな。
休みとはいえ、教師は順番で出勤をしなければならないから、玉と休みが重なるかは分からないが、二人で遠出するのも良いかもなぁ。
帰ったら、話してみよう。


その日の夜
「裕太、休みって何か予定とかある?」
「ん?今のところ、ないよ〜」
「じゃぁさ、休みが被る日に、どっか遠出しない?」
「え、マジで?!行きたい!」

こんなに素直に喜んでくれるなんて思わなかったから、何かこっちが恥ずかしくなるぐらいだった。

「ハハ、そんなに嬉しいですか(笑)」
「うん!めっちゃ嬉しい!!ヤバい!どうしよう!」
「どこ行きたいか、考えておいてよ」
「ガヤにお任せプランって言うのもあり?」
「裕太が思いつかなかったら、ありかな」

そんな会話をしながら、すでに頭の中ではどこに行こうか考えていた。

「でも、俺ガヤが考えてくれた場所に行きたいな」
「えー、どこか行きたいとことかないの?」
「うん。ガヤと一緒に行けるならどこでも楽しいし」
「じゃぁ、海とかは?俺のオススメの場所があるんだけど、そこって食べ物も美味しくて北山も気に入ってさ、よく行ったんだよね」
「…………」
「裕太?海、イヤ?」

返事がなかったから、聞き返したら
「ううん!海いいね!ガヤのオススメの所なら行ってみたいな」

俺は、玉が喜びそうな所を考えるしか頭になくて、自然と過去に北山と行ったところをチョイスしてしまったんだ。
玉が無理に笑って返事したことにも気付かずに。

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設定タグ:藤北 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光   
作品ジャンル:タレント
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ももは(プロフ) - ぴーちさまー!初作品お疲れ様でございました!とてもとてもステキなお話でした(;▽;)モテるFさんが色男すぎて、Tさんにも新たな出会いがみえて…明るい方向へと歩む光がとても素敵でした(><)安定のKさんは、かっこかわいい☆また次回作気になります…! (2019年11月18日 8時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ももはさん» ももはさまー!早速読んでいただき、ありがとうございます(≧∇≦)切ない始まりですが、ちゃんとハッピーで終われるはずです。ももはさまの作品の足元にも及びませんが、頑張って更新していけたら良いなと思っておりますので、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2019年10月29日 14時) (レス) id: 8b3214628f (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - ぴーちさまっー!初作品ありがとうございますっ!話の続きにわくわくが止まりません…!乙女Fさん、ふるゆわTさん、頑張り屋のKさん、切なくて既に胸がきゅーっとしています(><)ぴーちさまのペースで続きをお待ちしております! (2019年10月29日 7時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーち | 作成日時:2019年10月29日 0時

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