変わらないままの心

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ある日、北山は藤ヶ谷から一つ下の後輩玉森を紹介された。


「こいつ、俺と同じ学部で一つ下の後輩の玉森。んで、こっちが俺の恋人の北山」
「玉森 裕太です。ガヤから話はよく聞いてます。北山先輩とも仲良くなりたいです！」
「先輩なんてほどじゃないし、藤ヶ谷のことは先輩付けじゃないんだから、好きなように呼んでよ！それに、仲良くなるのに敬語なんて堅苦しいからやめようぜ」
「じゃぁ…ミツって呼んでイイ？俺のことは、ガヤも玉って呼ぶから、好きに呼んで」
「んじゃ、玉な。よろしくな」


玉森は、藤ヶ谷と同じ学部で同じ講義をとっていることから知り合い、二人とも人見知りであったが、ファッションや趣味など共通することが多く仲良くなったようだ。


北山は、藤ヶ谷が自分を当たり前のように『恋人』と紹介したことに、更に愛情を再確認し、自分へ与えられる想いを深く感じた。


玉森を紹介されてからは、三人で飲みに行くことも増え、北山も後輩として懐いてくる玉森を可愛がっていた。

「ミツ〜、講義が難しくて、めっちゃ眠くなるんだけどぉ」
「玉は自由だなぁ。でも、藤ヶ谷もその講義とってて眠くなるって言ってたな(笑)」
「おい！それは言うなって！」

この関係が、変化するとはこの時は誰一人思っていなかった。
いつまでも仲の良い先輩後輩でいれると。
今愛する相手が、変わらず横にいると。

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