14 F ページ14
いつもの様に、仕事終わりに玉と食事をして、俺の家に一緒に帰ってきた。
玉が平日に泊まることなんて、ほぼ毎日と言ってもおかしくない。
玉は、二人きりになると甘えて抱きついてきたり、腕を組むなど距離が近いことが増えた。
そんな玉が可愛くて、俺も自然と当たり前のように受け入れていた。
シャワーを浴びてソファーに座ると、玉が振り返り、俺をまっすぐ見てきた。
「ん?どうした?」
「ねぇ、ガヤ。これだけ毎日のように一緒に居るし、もう俺たち付き合ってると思ってイイよね?まだキスもそれ以上もないけど、気持ちはさ……」
「あ……うん…そうだな……」
「それなら、もうミツに会っても平気だよね?」
「………」
「ダメ?大丈夫なら、今度の週末に久しぶりに三人で飲みに行こうよ。ミツには俺から連絡しとくからさ」
「………うん、頼むわ」
俺は、玉と付き合ってるのか?
俺を好きだと言ってくれた玉を断ってはないし、何なら受け入れている。
これは、体の関係がなくても付き合ってるのと同じだよな。
でも、北山とは?
俺たち、ちゃんと別れようって話したっけ?
……でも、ずっと連絡も来ないし、別れたも同然か。自然消滅ってやつ。
そう自分に言い聞かせた。
それから、あっという間に約束の週末。
店に行くまで緊張したが、久しぶりに会う北山は、少し痩せた感じはするけど変わらない笑顔で手を降っていた。
変わったのは、俺の隣に座っているのが北山ではなく、玉森だということ。
乾杯をした後、仕事の話などしていた時に玉森が
「あのね、ミツに聞いて欲しいことがあるんだ」
「何だよ、改まって。結婚するとかか?」
「ううん……あのね、俺たち今付き合ってるんだ」
「……俺たち?」
「うん、俺とガヤ」
玉からそれを聞いた北山は、しばらく俺を見てから、いつもの笑顔で
「そっか!昔から仲良かったし、お似合いだよ。おめでとうな!」
それの一言を聞いて、俺は下を向いた。
北山にとって、俺はとっくに過去なんだ。
少しでも動揺してくれるかと期待した自分が、惨めに思えてきた。
「ありがとう、北山。これからは玉と仲良くやるよ」
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ももは(プロフ) - ぴーちさまー!初作品お疲れ様でございました!とてもとてもステキなお話でした(;▽;)モテるFさんが色男すぎて、Tさんにも新たな出会いがみえて…明るい方向へと歩む光がとても素敵でした(><)安定のKさんは、かっこかわいい☆また次回作気になります…! (2019年11月18日 8時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち(プロフ) - ももはさん» ももはさまー!早速読んでいただき、ありがとうございます(≧∇≦)切ない始まりですが、ちゃんとハッピーで終われるはずです。ももはさまの作品の足元にも及びませんが、頑張って更新していけたら良いなと思っておりますので、お付き合いいただけると嬉しいです☆ (2019年10月29日 14時) (レス) id: 8b3214628f (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - ぴーちさまっー!初作品ありがとうございますっ!話の続きにわくわくが止まりません…!乙女Fさん、ふるゆわTさん、頑張り屋のKさん、切なくて既に胸がきゅーっとしています(><)ぴーちさまのペースで続きをお待ちしております! (2019年10月29日 7時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーち | 作成日時:2019年10月29日 0時