変わらないままの心

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「大丈夫？宏光は頑張りすぎちゃうから、俺と居るときはリラックスして良いんだよ。」
藤ヶ谷は、自分の仕事が忙しいときでも、俺の体を気遣ってくれたり、いつも気にしてくれていた。

「会えなくても、声が聞ければ安心して寝ることができるよ。今日もお疲れさま。声を聞かせてくれて、ありがとう」
どんなに遅い時間に電話にしても、必ず出てくれて、「ありがとう」って言うんだ。



ごめん……
あの時の藤ヶ谷の寂しいって言った気持ち、やっと分かったよ。
俺、お前の優しさに甘えてた。


会いたいよ。
自分勝手だけど、俺も寂しいよ。
会えなかった間のことを話ながら、一緒に眠りたいんだ。
触れ合って、お互いを確かめ合いたい。



あの二人の光景が頭から消えないまま、迎えた次の日。
スッキリしない頭のまま仕事をしている時、スマホにメッセージが届いた。
送り主は玉からで、週末に藤ヶ谷を含めた三人で飲みに行かないかという誘いだった。


既読をつけてしまったから、スルーする訳にはいかない。
予定を確認すると、今のところ、今週末は急ぎの仕事もないから、飲みに行こうと思えば行ける。

けど、昨日の二人が頭を過って、返信する手が止まる。


その場で、どんなことを聞かされるのだろう。
ただ前みたく、楽しく飲むだけなら。
二人の間には、何もないんだよな。


悩みながらも、了解の返信をした。

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