ー弐ー ページ8
「それで?通しの許可も無しにいらっしゃるなんて、相当大事な用とお見受けしますが。」
「ええ、____秘匿死刑の決まった女児を保護しました。」
「ッ!?」
老男は歯をギリ、と食いしばる。
理由はなんであれ、アレを逃がしてしまったのは秘匿死刑を一任されているこちらの落ち度なのだ。
「……何がお望みで?」
「あぁいえ、望みだなんてそんな!
ただそうですね、保護させて貰ったのも事実ですから、もし
記録ーーー1994年12月10日
推定特級術士××××の秘匿死刑執行
「……嘘だろ」
執行人も付き人も悲鳴を上げて逃げていったその部屋で、老男は目の前で縛られている女児を呆然と見つめた。
死刑は執行された。ちゃんと目の前でその首は落とされた。その筈なのに、どうして生きている?
『仮定の時間軸を未来に置いただけ。首を切られた直後に死ぬ前の時間に引き戻した。』
疑問を汲み取るかのように女児が口を開く。こちらに向けられた目元は呪布でぐるぐる巻きにされている。
「術式を思念外で発動したというのか……?!」
それだけじゃない、部屋には封呪の札が壁いっぱいに貼られているし、何よりも首を落とした刃物にだって封呪のような効果が掛かっていた筈だ。
考えられるのは1つ、彼女の呪力量がそれらを遥かに上回り、封呪を実質無効化している…!!
『おじさん、まだわたしを殺すの?』
今まで大人しかったその口は憎たらしく弧を描いていた。
「クソ餓鬼が……!!」
ーー死刑失敗により、予てから希望のあった五条家に条件付きで世話を一任する。
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梅枝(プロフ) - 氷雨霰さん» 返信が遅くなってしまい大変申し訳ありません。誤字指摘いただき大変助かりました、ありがとうございます! (2022年3月25日 22時) (レス) id: 810501db12 (このIDを非表示/違反報告)
梅枝(プロフ) - ぱるむさん» 返信遅くなってしまい大変申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2022年3月25日 22時) (レス) id: 810501db12 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨霰 - すっごい面白かったです!!あと、わざとだったら本当に申し訳ないんですが…題名の「呪術士」、もしかして「呪術師」の変換ミスかもです! (2020年12月13日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - めっちゃ面白いです!応援してます!頑張ってください! (2020年12月9日 21時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅枝 | 作成日時:2020年11月24日 0時