ー弐ー ページ2
「いやぁ、2級呪霊の下の方とはいえ、呪力一発で祓えちゃうんだ。流石だね。」
わざとらしく手を叩く男に、お前だって一瞬で祓えるだろうという目を向ける。
意味を汲んだのかは知らないが、五条は気味悪いくらいに口角をあげた。
「で、そんな君の力を買って、お願いしたいことがあるんだけど」
「先生、その子、誰?」
で、お願いされたのがこれである。お願いというか脅迫に近かった気がしなくもないが。
気の抜けた面でこちらを覗き込んでくる少年は虎杖悠仁、少しぶすっとした顔でその隣に立っているのが伏黒恵、どちらも高専の1年生だ。
「彼女は2級呪術師の六条。
僕の親戚だよ、超遠いけど。」
「へぇ〜!五条の親戚だから六条?」
「いやそんな単純な話じゃないだろ…五条家の分家でも六条家なんて聞いたことないですよ。」
お前一体誰だよといった顔で見られる。個人情報の取扱は慎重にお願いします。
暫く沈黙が流れて、五条があぁ、と声を発した。
「この子喋れないから、そこんとこよろしく〜」
「いや最初に言ってくださいよ」
五条に頼まれたのは2人の任務の付き添い。
表向きは2級呪霊の討祓であるが、2級や3級の呪霊が1つの廃ビルに不自然に集まっている様子が確認された為、手招いている1級以上の呪霊がいる可能性がある。
普通の2級呪霊であれば伏黒1人でも問題ないが、ある意味未知数の任務だからこそ虎杖をつけ、かつ私も付けたのだろう。
「基本的に2人に手出しはしなくていい。今回は彼らの判断力を鍛えたいからね。
最終的に彼らが間違った選択をしかけたら引き戻してやってくれ。」
ここに来る前に五条が言っていたことを思い出す。そんなこと教師のお前がしろよと思ったが、奴の事だから何か理由があるんだろう。
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梅枝(プロフ) - 氷雨霰さん» 返信が遅くなってしまい大変申し訳ありません。誤字指摘いただき大変助かりました、ありがとうございます! (2022年3月25日 22時) (レス) id: 810501db12 (このIDを非表示/違反報告)
梅枝(プロフ) - ぱるむさん» 返信遅くなってしまい大変申し訳ありません。そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2022年3月25日 22時) (レス) id: 810501db12 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨霰 - すっごい面白かったです!!あと、わざとだったら本当に申し訳ないんですが…題名の「呪術士」、もしかして「呪術師」の変換ミスかもです! (2020年12月13日 1時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - めっちゃ面白いです!応援してます!頑張ってください! (2020年12月9日 21時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅枝 | 作成日時:2020年11月24日 0時