story.3 ∗*゚ ページ4
貴女「私、彼氏ほしい」
「「は?」」
貴女「あ、でも付き合うまでのきゅんも大事だから、まずは好きな人ほしい」
「「……」」
だって、私の大好きな少女漫画では、ごくごく平凡な女の子が、全力で青春して、いっぱいきゅんきゅんして、好きな人と結ばれて……。
いいなぁ、私も好きな人ほしい。
恋って、絶対キラキラしてるもん。
そう思って話していたのに、両隣を歩いているはずの2人が、何故か遠く後ろに居る。
貴女「おにい?研磨くん?どーしたの?」
なんで立ち止まってるんだろ…。
夜久「…シスコンめ」
貴女「え!?夜久さん!?」
いつの間にか隣に立っている夜久さんに、びっくりする。
夜久「お前ら遅いから、様子見に来た。ほら、早く行くぞ。皆先行ってるから」
迷子になるなよー。
なんて言いながら、手を繋いでくれる。
…………手を繋いでくれる!?
え、え!?しかも車道側歩いてくれてる…!
夜久さんカッコよすぎる…!
夜久「ん?どした?顔赤いけど…具合悪い?」
おでこに当てられる手。
目線を合わせようと屈んでくれる優しさ。
そして顔の近さ…!
整ったお顔が…!
くりくりのおめめが…!
夜久「あっ、おい!?」
ぐらり、後ろに傾いた体は、重力に逆らうことなく倒れて__。
夜久「…っぶねぇ」
ドクドクと耳元で聞こえる音と、お日様みたいないい匂い。
え、あれ…?
今私、夜久さんの腕の中にいる…?
え、なにこれ死ぬの?
私耐えられないんだけど。
死因:キュン死。
なんて考えてたら、急に衝撃。
黒尾「やっくんAから離れて!」
お日様みたいないい匂いは遠ざかって、慣れ親しんだいつもの匂い。
貴女「おにい…やくさんかっこいい…」
黒尾「わ!バカ待て逝くな!!」
夜久「は…?かっこい…!?」
黒尾「やっくん顔赤くしないで!」
研磨「A、しっかりして」
貴女「かっこいいの供給過多…」
黒尾「Aーーーー!!」
そんなこんなで、初めての練習試合に向かう道すがら、私は気を失ったのである。
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作者名:沙夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annzuamenoheya/
作成日時:2024年3月6日 9時