第2話 ページ4
夏の日差しが窓から入り暑い日々が続く
ザワザワと生徒たちの声で包まれている教室
そんな中、椅子に座ったまま寝ている女子生徒がいた
チラチラと周りの目は彼女に向かうが、本人は気にしていないようだった
日差しによってシルクのように美しい長い髪がキラキラとひかり、彼女の美しさを際立てていた
「寝てるだけなのに美しい…同じ女子でも惚れそう…♡」
「彼氏とかいんのかなぁ」
「いやいや、沢田さんはみんなの女神だから！！」
そんな声が上がる中ガラッと教室の扉が開く
「沢田雛菊さん…っているかな？」
「み、源会長！！？」
キラキラスマイルで教室に入ってきたのは、かもめ学園で知らぬ人はいない
生徒会長の源 輝である
「さ、沢田さんなら窓際に…っ」
「お、おい…なんで生徒会長が沢田さんを…？ま、まさか…！？」
「そ、そんなこと…！」
ひそひとと噂話が広がる中、変わらぬ笑顔でヒナの机の前まで行くと声をかける
「ヒナ。迎えに来たよ」
「………」
しかし、起きる気配のない彼女に苦笑してはごめんね。と一言呟きヒョイっと横抱きした
その瞬間、小さな悲鳴が教室に響くがほぼ全員失神状態である
そんなことはお構いなしに、近場にいた生徒にニコッと笑みを向け
「午後の授業は出られないから先生に伝えておいてくれるかな？」
「……へ？あ、はいっ！」
そう伝えるとにこにことしたまま雛菊を連れて教室を出ていってしまった
その後は言わずとも分かるとおり悲鳴と疑惑の声で騒がしくなるのであった
「…んぅ」
揺れる感覚で目が覚め、雛菊は目を開ける
ぼやける視界に入ったのは金色の髪と青い瞳
「……源 輝？」
「ふふ、やっと眠り姫が起きたかな？」
ｸｽｸｽｯと冗談まじりにつぶやく相手に眉間にシワを寄せた
「要件」
「あぁ、そうだったね。…最近、七不思議の噂が流れているのは知っているだろう？」
「…知ってる。綱吉が気にしてたから」
七不思議と聞き、先日綱吉と話していた内容を思い出す
『七不思議の噂が変わってる？』
『う、うん…そうらしいんだよね。同じクラスの子にそういうのが詳しい子が居て話していたんだ』
『…噂だから変わることもあると思うけど』
『そうなんだけど…何か引っかかるんだ』
綱吉には前世の記憶があり、その前世からのもので超直感というものがある
彼の勘はよく当たる
だからこそ警戒しなくてはならないのである
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作者名：神威空 | 作成日時：2021年1月22日 17時
