40 ページ42
｢――！―――！！A！！｣
呼ばれているのは分かるが指1本動かせずにいるA。
(…心配、かけちゃったな。……眠…いや)
『セ…ブ』
1か月経ってもAは目を覚まさなかった。
｢大量の魔力の消費と負ったダメージ…生きているだけでもこの幼い体には。ここにいることが幸運じゃ。｣
お見舞いの品を整理しながらダンブルドアが言う。
それを聞きながらスネイプはAの手を握っていた。
｢(…早く起きろ。もう失いたくないんだ。…肝心な時に何もしてやれないではないか)｣
━━それから1週間後の夜
『……んぅ』
Aは目を覚ました。
長く寝ていたので体が思うように動かず、視線だけを動かし自分のいる場所と周りを伺った。
室内の暗さより暗い、黒い塊が目に入った。
『セ…ブ…』
喉もカラカラで掠れた、弱々しい小さな声で呼ぶ。
その小さな声にスネイプは反応した。
｢A…？｣
サイドボードの灯りに照らされた、自分の名を呼ぶその顔にAは自然と微笑んだ。
(どこの世界でも、どの時間でも私はセブルス、貴方が…)
｢A！！よかった…本当によかった｣
そう言いながらスネイプはAを抱きしめた。
言うことの効かない体をされるがままにしていたが、大人と子供の体格差からかAは苦しくなりスネイプの背をポンポンと叩くがビクともせず、困って
『セ…ブ、…しぃ。』
｢い、今、我輩の名を!?｣
バッと離れ、興奮した様子でAの肩を掴むスネイプ。
こくん、と頷いたAにスネイプは驚きと喜びで目を見開いた。
その目には光るものがあった。
その後、水を飲ませてもらい再びベッドへ寝かせられた時、
｢校長を呼んでくる。｣
とスネイプが医務室を出て言った。
Aはその間に夢であったこと、トム・リドルのこと…どう話をするかを悩んでいたが『見てもらった方が誤解も間違いもないか』と思い、大人しく待っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サクサクパンダ | 作成日時：2023年11月15日 11時
