不滅華 (ページ5)

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再び目を覚ますとそこは御伽噺に出てくるお姫様の部屋のようだった。

『どこ、ここ。』

ベッドから出て部屋を見回すが手がかりになりそうな物がなく、扉を開け部屋の外へ出ることにした。

扉の外は暗かったから西洋造りの建物であることがわかった。
更に歩き進んでいると、壁にかけてある肖像画が話しかけてきたり階段が動いていた。

『まさか…』

戻ることを考え迷路のように右手を壁につけ進むと部屋ごとに表札のように下がった板に書かれてる英語が目に入った。
今までの自分なら読めないのに分かると少女が驚きながら『どうしたものか』と考えていると

｢何をしている｣

と低いが心地のよい声で背後から進行を止められた。
振り向くとそこには憧れて、大好きで一番会いたかった人が居た。

『…』

驚きと興奮で声にならず固まっているとツカツカと歩き寄ってきて

｢何をしていると聞い……！？｣

近づいてきた黒にドキドキし、また黒も少女の顔を見て固まってしまい風の音だけがその場で響いていた。

するとどこからともなく声が聞こえた。

｢ふぉふぉ。セブルス、この子は今度入学するワシの孫じゃ。のぅ、A｣

白く長い顎髭をさすりながら半月眼鏡の老人が楽しそうに言いながら少女を見てパチンとウインクをした。

『… A・ダンブルドアです』

そう言い老人の背に隠れた。

ボロを出さないように、
顔が赤いのを隠すように、
心を見られないように…。