不滅華 (ページ33)

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｢エクスペリアームス！｣

お腹の奥にまでずっしり響く低音の主にAは見蕩れていた。
周りの女子のロックハートを心配する声や、男子の歓声が聞こえないほどに。

立ち上がりながら講釈を言うロックハートにチクリと嫌味を言うスネイプに『あはははっ』とAは笑った。

生徒同士で実戦形式に行うとなった時、Aはハリーとマルフォイの対決に備えて人目につかない位置に移動していた。

が、

｢我輩が相手をする。来い。｣

隠れていたわけでもないがわざわざなんでとAは思ったが、一応授業であるわけだ。
そして自分は他の生徒と行うことも出来ずにいる。
こうなるのは仕方ないと諦め、Aは微笑んでスネイプに連れられ登壇した。

『もちろん教授は手加減してくださいますよね？』

と軽く杖を振りながらAはスネイプに言う。

｢…お前次第だ。｣

ロックハートがカウントを始めたのでソレに合わせてスタート。

｢エクスペリアームス｣
『プロテゴ、エクスペリアームス』

｢プロテゴ｣

『(このままじゃ拉致があかない。インカーセラス)』

｢！！(レラシオ。無言呪文が使えるのか)｣

無言呪文でお互い1歩も譲らずいると周りがざわめき出す。
教師であるスネイプは出来るのは分かるが、2年生のAが使えるとは誰も思っておらず周りの声が大きくなっていた。

決闘クラブということを忘れお互いが打ち込む魔法に笑っていた。

『(なんだろ、すごく楽しい！そして懐かしい。…体力の方がやばい。教授強いなぁ、かっこいいなぁ)』

転生者とはいえ体は2年生のソレなのでAは体力が底をつきそうになっていた。

『(く…そぅ)』

一瞬だった。ほんの一瞬の気の緩みをスネイプは見逃さなかった。

｢エクスペリアームス！｣

力強く、低い声が響いた瞬間、Aの杖が弾かれスネイプの手におさまった。

『っ！』

スネイプが杖を下ろしたのを見たAは

『アクシオ！エクスペリアームス！！』

訓練中の杖無し呪文で自分の杖を取り、武装解除を唱えスネイプの杖を持ちニヤっと笑った。

｢貴様…｣

とスネイプの眉間の皺が深くなり、瞳は怒りに満ちていた。

『決闘ですから、終了するまでが試合です。』