不滅華 (ページ3)

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pi pi pi pi …

『ん…、早く支度しなきゃ。』

目覚まし時計で起きた少女はすぐ身支度を始めた。
が、その時

バンバンバン

少女の部屋の扉を激しく叩く音がし、少女は顔を青くし、体を震わせながら扉を開いた。

『と、父さんごめんなさい。す、すぐに朝食の支度しますから！』

少女は足早に部屋を出ようと父の横を通ろうとしたが腕を掴まれさっきまで寝ていた布団に投げるように倒され、馬乗りになられ"躾"という名の虐待をされた。

｢その瞳、気に入らない。母さん似のその姿も。｣

そういうと父は時間の許す限りの虐待に及んだ。

時間が来たのか父は身支度を整え家から出て行った。

少女は悔しさと惨めさ、憎いという思いに包まれながら重い体を引きづりながらシャワーを浴び支度を整え、制服に身を包み家を出た。

着いた先は少女の通う学校。
そこでも少女は落ち着いて生活を送ることが困難であった。

昨日は上履きを泥だらけにされていた。
一昨日は体操服がゴミ箱でボロボロになっていた。

今日は机が廊下に出されており、花が飾られていた。

『毎日よく飽きないな…。』

少女がポツリと零した時、複数人の男女に声をかけられた。

｢あれぇ？どうしたのぉ～？？？｣
｢ちょｗ笑わさないでｗｗｗ｣
｢お前の瞳、気持ち悪いんだよ｣

そう言いながら少女を小突くように殴る。
よろけたところを捕まえられ｢ここでは目立つ｣からと屋上へ連れていかれた。

着いた屋上で少女はされるがままでいた。
反抗は相手を逆撫でる、と家で学んでいたからだ。

予鈴が鳴り、屋上から人が去った後残された少女は目立たない奥のフェンスまで歩いた。

『私だってなりたくてこの瞳になったわけじゃない。
神様がいるのなら恨むよ。』

そう呟いた時、鞄に入っていた本がパラパラパラ… と風もないのに捲れた。

『借りた本、読めてなかったや。
映画しか見たことなかったから読みたかったなぁ…』

そう独り言を言いながらフェンスを登る少女。

『夢の中だけでも幸せで…あの人に会いたかったな……セブルス教授に。』

少女はフェンスを乗り越えた先の僅かなスペースに立ち、右人差し指を自分の喉に向け

━━━━アバダケタブラ━━━━━━━

と言いながらトンとフェンスから飛び降りた。

少女からは見えていなかったが、屋上に残された本が白銀に光っていた━━