不滅華 (ページ13)

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ハリーとロンがやってきた。
Aは我に返り杖を下ろす。

(えっと、鼻に杖でビューン、ヒョイだったけ？)

と思い出しながら2人の動きを見ていた。

2人は引きつけるために物を投げたり煽るようなことを言ったりし、トロールが棍棒を振り下ろしたタイミングでハリーがトロールの首に背後からしがみついた。
そして杖がトロールの鼻に。

何かしてというハリーにロンが慌てふためいた時ハーマイオニーが

｢ビューン、ヒョイよ！！｣

と言い、｢ウィンガーディアム・レヴィオーサ！！｣とロンが唱えトロールが振り上げていた棍棒がトロールの頭に落ちた。
これで物語通り気絶して3人の絆ができるとAが思っていた。

が、

トロールはよろけてフラフラしただけで気絶していなかった。

『え…物語が変わってる。』

このままでは危ないと思ったAがハリーとロンに

『2人共にトロールから離れて！』

と言うと同時にトロールの目の前に再び立ち杖を構えた。

2人がトロールから急いで離れたのを確認したAは

『ステューピファイ…インカーセラス！』

失神呪文と縛り呪文を使うもトロールは効いていないのか再び暴れ始め、Aを吹き飛ばした。

｢｢｢Aっ！！！｣｣｣

瓦礫に飛ばされ至る所に傷が出来、血が流れてしまったAだが瓦礫を掻き分け再度トロールに向いていた。

『本当に頭にきた。
…………クルーシオっ！！』

Aの唱えた許さざる呪文でトロールはもがき苦しみだした。
Aは冷たい氷のような瞳でその光景をただ見つめていた。

3人がその光景とAに恐怖を感じているとも思わずに。

ドタバタと複数人の足音が聞こえ、その中から

｢まぁ！なんということでしょう！！説明なさい！！！｣

マクゴナガルが普段より声を荒らげて言った。

その声で我に返り呪文を止めたA。

Aは目を見開いて自分を見る教師たちに『何か問題でも？』という表情をしてその場をやり過ごした。

そこからは早かった。
というのも全て物語通り進んだからだ。
ハーマイオニーが嘘ついた物語通りに。

｢Aが酷い怪我をしてます！早く医務室へ｣

とハーマイオニーが教師に伝える。