不滅華 (ページ12)

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特に何事もなくハロウィンを迎えた。

この日も物語から逸れることなく呪文学の浮遊呪文のことでハーマイオニーとロンが揉めた。
すぐにでもハーマイオニーの元へ行きたいとAは思ったが彼女の分のノートを作り、タイミングが来るのを待つことにした。

夕刻のパーティーの時間、ハーマイオニーが居ない話になり、トイレにいるという話を聞き『今だ』とAはトイレへ向かった。

(教授の方へ行きたいけどクィレル先生がいるはず。
ここで万が一エンカウントしてしまったら変わってしまうかもしれない。
教授の方が変わってませんように…。)

考えているうちにトイレに着き、泣いた時特有の息遣いと漏れる声を聞き

『ハーマイオニー？ハーマイオニーなの？』

と優しく声をかける。
すると普段の利発的なハーマイオニーからは考えられないほど弱弱しい声で

｢A？あ、貴女も私に何か言いたいの!?｣

と若干攻撃的な口調で返事が来た。

『ハーマイオニー、貴女何か言われたの？
私はたまたまここに来ただけよ。
それよりパーティーが始まってるわ。』

なるべく優しく言おうと思って話をした。
ハーマイオニーは｢自分はいい。｣と答えAはどうしたものかとその場で思案し始めた時、ドシンッドシンッと地響きがし形容し難い臭いが近づいて来ていることに気がついた。

(助けたいけど、この件で3人の中が深まる。…2人が来るまで耐える…か。)

扉を壊し入って来たのは知っている通りトロールだったが、Aはその大きさに『まじか…』と一言もらした。
その時ハーマイオニーが何事かと個室を出てきてしまった。

｢き、きゃーーーー！！！と、トロール！｣

『戻って！！プロテゴ・マキシマ！』

(2人はいつ来る？
それとも私がいるから来ない？!?)

トロールの激しい攻撃を防いでいるがプロテゴ・マキシマの効果が切れてしまった。

Aはハーマイオニーを個室に押し込み、プロテゴをかけ

『なるべくしゃがんで小さくなっておいて。』

そういうとAはトロールの正面に立った。

｢危ないわ！2人で戦えばきっと…｣

『私は強いから大丈夫！…隠れていてね。』

トロールが棍棒を振り回し壁や周囲のものを壊していく。
その破片がAの頬をザックリと切った。

『ったぁ…こいつ許さない！！』

Aは怒りを露わにしてトロールに杖を向けたその時、

｢｢ハーマイオニー！｣｣