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森へ入り、木に体を寄せ息を整える


キロランケと杉元は大丈夫だろう…尾形はきっと銃を持っとる…白石はまぁどうにか……谷垣…チカパシっ…


誰を探すかを一瞬で考え、チカパシを連れているであろう谷垣を見つけようと暗闇の中足を進める


「うおおお!」


何処からか聞こえる杉元の声


カァンっ


『!』


パァン!


銃声の後、杉元の声は聞こえなくなった


…くそ…撃たれたか…


微かに漂ってくる血の匂いに顔を歪めた

杉元の元へ行こうと方向を変え進む


がしっ


『!』


突然腕を取られ体勢を崩すが、瞬時に拳銃を構える


「待て、俺だ」

『!……尾形か…』


銃を下ろし、2人は草木の中に隠れる


『谷垣がどっちに行ったか分かるか?』

「…知らん」


Aの問いに尾形は少し不機嫌そうに答えた


『そうか。じゃぁ…』


立ち上がろうとするが腕は解放されず、逆に引き込まれた


『なっ…』

「静かにしろ」


尾形は辺りを警戒しながら小銃の弾を装填する

その時、火の灯りが見えた


…アシリパさんっ!


松明を持つアシリパに1人の盗賊が近づいた瞬間、尾形の銃が鳴った

瞬時にAと尾形は木の後ろに隠れる


パァンパァンパァンッ!!


都丹の拳銃の弾が闇雲に飛び、尾形は小さく笑う


『アシリパさんッ』

「だから勝手に動くな」


腹に手が回され尾形に抱き込まれる


『おい、裸だろ。離れろ』

「湯冷めした。上着を貸せ」

『な、ちょっと、まてッ』


尾形は手を着物羽織の下に滑り込ませた


『…んッ…』

「!」


冷たい手が直に肌に触れ、小さく声が漏れる


「『……。』」


お互い気まずさで固まった


『…ざ、残念だが…上着は貸せん…』


肌に触れている手を退かし、もぞもぞと離れた


「…なぜ服を着ていない」

『私も風呂に入ってたんだ…って…おい、今おっ立てるなよ?』


股間を指さすAに尾形は眉を顰めた


「誰がお前に情欲するかよ」

『…しとったくせに…』


ヒソヒソと話し、互いに悪態をつくが盗賊達の歩き回る音に口を閉じた


「…日が昇るまでの耐久戦になるな…」


足音の方を警戒する尾形

その隣でAは足を伸ばし太腿の傷を見た


…かなり抉れとるな…


血が止まらない傷を両手で力強く掴む


『…っ…』


羽織の襟元を噛み、歯を食いしばり痛みに耐えた


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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます!そのお言葉が最高です!頑張ります! (2023年1月9日 0時) (レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高!!全てが大好きです!! (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉です!励みになります!更新頑張ります!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです!更新楽しみにしています! (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げん | 作成日時:2022年12月22日 22時

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