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『ただ…、皆に情けない所を見せてしまった』
Aは眉尻を下げ、杉元と谷垣を恐る恐る見上げた
『こんな汚い人間…軽蔑されても仕方ない…』
「するわけないだろう！俺はアイツをぶっ殺してやりたかったぜ」
「どこにAを軽蔑する必要があるんだ」
彼らの言葉に鼻の奥がツンと痛む
ぽんっ
『！』
頭に置かれた暖かい手に驚いた
「Aくんの何処に汚れがある？……君は強く素敵な女性だ」
『…っ…』
Aにしか見えないその顔は何かを愛おしむ顔をしていた
…私を通して…誰を見とるの…？…
その顔に鶴見が大切なものを失っている事を悟った
『…うぅ…』
何故だか涙が溢れ出した
「おや、これ以上泣くと目が腫れてしまうよ」
『…優しく…せんで…ください』
「ほら、私の胸を貸してあげよう」
「なッ！ダメです中尉殿！御召し物が汚れてしまいます」
「そんな所で泣くなよ。俺か谷垣の胸にしろって」
「そんな所とはなんだッ！」
「いちいち煩いなお前！」
何故か鯉登と杉元の睨み合いが始まり、月島と谷垣が其々を抑えた
『…うぅッ』
騒ぎが始まっても涙は止まらず、Aは鶴見の腕の中に静かに収まった
ぽんぽんと背を叩く優しいリズム
「Aくんはよく頑張った」
『！』
突然頭上で囁かれた言葉に心臓が跳ね上がった
「偉い、偉いぞ」
『…っ………』
Aはぎこちなく鶴見から離れ、顔を隠した
「…？…どうしたのかね？」
後ろで暴れていた4人の視線も集まる
『あ、…いや、…もう大丈夫で、す』
顔を赤に染め上げたAを見て杉元と谷垣は納得した顔をする
「あー、そういう事だよね、谷垣？」
「そういう感じだな」
「何だどういう事だ！」
「少尉殿落ち着いて」
杉元は疑問符を持つ鶴見を怪訝な顔で見た
「…Aは年上の…大人の男に滅法弱いんだよ…」
『おいッ杉元！言うな！！』
「成る程。キロランケに懐いていたと言うのも納得出来るな」
「貴様も鶴見中尉殿の魅力に気付いたという事かっ」
納得する月島と複雑な顔をする鯉登、そして鶴見は面白そうに笑っていた
『杉元、お前許さん』
「別にいつも隠してないじゃん。なぁ？谷垣」
「う、うんそうだな？」
何故こちらに毎回ふるんだと思いながら谷垣は頷いた
『…お前らだからだろ…馬鹿…』
頬を冷やしながら膨れるA
そんな彼女に杉元と谷垣は胸がきゅんとなり、直ぐに謝りに側に寄ったのだった
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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます！そのお言葉が最高です！頑張ります！ (2023年1月9日 0時) (
レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高！！全てが大好きです！！ (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいお言葉です！励みになります！更新頑張ります！！ (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！ (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：げん | 作成日時：2022年12月22日 22時
