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その後、鶴見の力もあり従兄弟は抵抗する事なくその場を去った
谷垣と杉元はAの様子が気になり、そっと部屋を覗いた
「「…っ…」」
ベッドの上で膝を抱き、放心状態だった
「何をしている」
扉の隙間から中を覗く2人の大男に月島は眉を寄せた
「邪魔だ」
「あ、ちょっと…」
「入るぞ」
オロオロする2人を他所に月島は部屋に入る
持ってきた水桶と手拭いを机に置き、Aを見る
腫れた頬や血の跡が残るシャツが痛々しかった
「…白水A、手当てしなければ」
声を掛けるも反応はない
「A、大丈夫？…じゃないよな…」
続いて部屋に入ってきた杉元達にも反応はない
「白水A…」
月島は絞った手拭いを頬に当てようと近づける
パシ
『触んな…』
「……。」
弱々しく叩かれ、月島の手は止まった
「頬痛いだろ？冷やさないと…」
『触らないで』
「…A…」
顔を埋めたAに杉元と谷垣も拒絶され眉尻を下げる
コンコンッ
「入るぞ白水A！シャキッとせんか！鶴見中尉がお見えだぞ」
騒がしく入ってきた鯉登を先に居た３人は睨んだ
「な、なんだ…」
「こらこら、鯉登少尉。静かにしなさい」
「キェッ」
鶴見は部屋に入り、ベッドへ腰掛けた
「白水A」
落ち着いた大人の声にAは少し反応を見せる
『……白水は捨てた…』
「…そうだったな…これは失礼な事をした。…では改めて、Aくん」
『……。』
「このまま樺太へ向かうのか、私と共に残るか選びなさい」
「何をっ」
「杉元！」
口を挟もうとした杉元を谷垣が引き止めた
「傷心している女性が同行出来る旅ではない。任務の邪魔になりかねん」
「テメェ…」
ハッキリと告げた鶴見の言葉にAは少し顔を上げる
『…何が女だ…』
窓に映る自分を見た
『私はもう…ここに刻まれる傷達の所為で子供を産める体では無い』
「「「！」」」
『女扱いは無用ッ』
立てていた足を崩し、胡座を組む
月島が用意してくれた水桶に掛かる手拭いで頬を冷やした
『傷心？こんな事で傷心出来たらとっくに死んでますよ』
「それでは…」
『私も樺太へ行きます』
力強い瞳で見つめてくるAに鶴見は鳥肌が立ち口元が緩んだ
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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます！そのお言葉が最高です！頑張ります！ (2023年1月9日 0時) (
レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高！！全てが大好きです！！ (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいお言葉です！励みになります！更新頑張ります！！ (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！ (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：げん | 作成日時：2022年12月22日 22時
