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223 網走監獄 ページ27



新月の夜が訪れた

少し風の強い暗闇の中、網走監獄内部へ侵入は成功した

宿舎で待機するキロランケ、牛山、土方、Aの4人

そして、アシリパ、杉元、白石は都丹を先頭にのっぺら坊の元へ向かう


「なんだお前ら?」


その声は4人を宿舎から見送り、数秒も経たないうちに聞こえてきた


「いきなり見つかってんじゃねーかッ」

「嬢ちゃんはここにいろ」


キロランケと牛山は直ぐに追いかけ後処理に向かう


『…大丈夫かな…』

「A」


これからの事に杞憂していると土方に名を呼ばれた


『?』

「私と共に来なさい」

『…どこへ?』

「アシリパは都丹が連れてくる。本当ののっぺら坊がいる所だ」

『…な、なんて…?』


Aは徐々に理解し、警戒の色を見せ始める


『…杉元達を騙したんか』


何も答えない土方を見て小さく溜息を吐く


『彼奴らを囮にして、アシリパさんが本物を確認出来る事には賛成だが…。門倉さんがどうにかしてる事だろうし…』


ブツブツと考え出すAに土方はニヤリと笑う


『でも皆、貴方の事を怪しいと言う。…あの3人を…いや、杉元とアシリパさんを引き離すつもりか?』

「…やはり頭の回転が速いな」

『貴方について行けばアシリパさんと会えるんですよね?』

「あぁ」

『…いや、ダメだ…』


Aは立ち上がり、土方に近づく


『私がアシリパさんを迎えに行く』


どこか怒りを感じさせる瞳は土方を射抜く


「…そうか」


そう静かに呟き土方は宿舎を出ていった


『くっそ…どげんすっか…』


Aはキロランケ達の帰りを待つが土方の話を聞いた以上、我慢がならなかった

宿舎を抜け出し、アシリパ達の元へと駆け出した

看守に見つからない様に囚人の舎房へと向かう


カン!カン!カン!!


『!?』


突然、侵入者を知らせる警鐘が鳴り響いた


『杉元達を包囲する気か!?』


だが、隠れて看守達の動きを見ていると彼らは舎房ではなく入り口の方へと向かっていた


ドォォンッ


何処からか大砲の様な爆発音が鼓膜を震わせた


『何だ、なにが起こっているっ』


続々と鳴り響く砲撃音

何処からか鳴っているのか確かめる為に建物の屋根の上に登った

ぐるりと辺りを一望すれば、侵入してきた網走川の壁が黒煙を上げ砲撃で崩れているのが見えた


『ぐ、軍艦…?』


訳が分からない状況に1人で突っ走った事を反省したのだった


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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます!そのお言葉が最高です!頑張ります! (2023年1月9日 0時) (レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高!!全てが大好きです!! (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉です!励みになります!更新頑張ります!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです!更新楽しみにしています! (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げん | 作成日時:2022年12月22日 22時

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