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串焼きも出来上がり食事が始まった

鮭のチタタプに串焼き、米とヒエを炊いたお粥にイクラを入れたチポロサヨ、塩煮したじゃがいもを潰したものにイクラを混ぜたチポロラタシケプ


「柔らかくて滑らか…生臭くなくて美味しい…これが本当のチタタプか」

「獲れたてだから臭みがないんだ。ヒンナヒンナ」

「焼き串も油がのってるな」


皆で鍋を囲み食事を楽しむ


「インカラマッさんていったかね?あんたいい人はいるのかい?」


牛山は和かにインカラマッに尋ねた

インカラマッは少し困った様に下を向く

その様子を見ていたチカパシは谷垣の食べ掛けの椀を取り、インカラマッに渡す


「何のつもりだチカパシ」

「女が男の家に行ってご飯を作り、男は半分食べた器を女に渡し、女が残りを食べたら婚姻が成立する」

「アイヌにとっての求婚の様なものか」

「本当の家族になれば?」


チカパシはインカラマッに言うが、彼女は中々それを受け取らなかった


「チカパシ、返しなさい」


谷垣は椀を置き、外へ出て行ってしまった

インカラマッも慌てて追いかけて出て行く


「おっと…まだ微妙な関係だったか」


少し気不味い雰囲気になったが、牛山は気にせずご飯を食べるAを見た


「嬢ちゃんはどうだ?」

『私ですか?』

「誰か居ないのか?」

『…いい人…うーん』


椀を置き、悩むAに視線が集まる


『あ、そうだ』


顔を上げたAに男達はソワソワした


『この前、夏太郎と友人になったと』


嬉しそうに笑うAから予想外の人物の名前が出たことに男達は唖然とする


『初めての友人なんよ。な、夏太郎?』

「えっ!あ、…あ、うん、そうだな」


呼ばれた当の本人は刺さる視線が痛く、汗が止まらなかった


『夏太郎は若いのに凄いですよね土方さん』

「そうだな。気概のある若者は早々いない」

「いや!お、俺なんかよりAの方が!」

「そうだな。Aは常に私の側にいて欲しいぐらいだ」

「「「ブッ…」」」


土方の発言に何人かがご飯を吹き出す

当の本人は何食わぬ顔でご飯を食べている


『また〜、そうやってサラッと言うんやけん…』

「私は本気だぞ?」

『……っ』


真剣な顔の土方にドキリとし、目線を逸らす


「私達より土方ニシパの方がいいのか?」


捨てられた子犬の様な顔で見つめてくるアシリパと同じ様に悲しそうな顔の杉元とキロランケが視界に入る


『ぁあ!可愛いッ』


頭を抱え、悶えたのだった

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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます!そのお言葉が最高です!頑張ります! (2023年1月9日 0時) (レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高!!全てが大好きです!! (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉です!励みになります!更新頑張ります!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです!更新楽しみにしています! (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げん | 作成日時:2022年12月22日 22時

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