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213 網走 ページ17



一行はとうとう網走監獄へ到着した

近くの村でどう侵入しのっぺら坊と接触するかを話合う


敷地内には監視やぐらが5つあり常に看守が巡回している

山にも20箇所の見張小屋があり、ロシア製の銃や機関銃までもがあった


「私達が脱獄する前より更に厳重になっている」

「山側は囚人の舎房があるので特に厳重なんだ。脱獄する囚人の心理としてはすぐにでも山に身を隠したいだろうし。看守達がいる建物の前を危険を犯して通ろうと考える奴はまずいないからな」

「それもあるが…監獄側はのっぺら坊を奪いにくる連中も警戒していると言うことだ」

「とすれば、やはり侵入経路は警備の薄手な網走川に面した塀しかねぇ。ここだ」


白石は網走監獄の図面を指差した


「この計画は今の時期しか出来ねぇぜ。鮭が獲れる今だからこそな。トンネルの入り口をアイヌの小屋で偽装する」


全員が黙って白石の話に耳を傾ける


「キロランケは日露戦争で工兵だった。二〇三高地でロシアの堡塁を破壊する為にトンネルを掘った経験がある。トンネル堀はキロランケが指示する。掘り出した土は1箇所には捨てず舟に積んで鮭を獲ってる合間に川のあちこちで少しずつ流す。トンネル掘りをアイヌの鮭漁で偽装する…網走監獄侵入大作戦だぜ!」


この時誰もが白石に感心した


「シライシ…やっぱすげぇや脱帽だ」


杉元は帽子を脱ぎ敬意を表す


「ピュウ⭐︎」


白石はキメ顔で手を鉄砲の形にして撃った

撃たれた杉元は直ぐに帽子をかぶり冷めた目になる


「脱獄王…やっぱりお前を網走まで連れて来て正解だった」

「ピュウ⭐︎」


アシリパにも同様に手を動かす


「ピュウ⭐︎ピュウ⭐︎ピュピュピュウ⭐︎」


そして隣に座っている無表情で見つめる尾形にもめげずにそれを繰り返す

2人の温度差に異様な空間が広がる

いつもの様にふざける白石に先程皆が持った感心は既に無くなっていた

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げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます!そのお言葉が最高です!頑張ります! (2023年1月9日 0時) (レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高!!全てが大好きです!! (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉です!励みになります!更新頑張ります!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです!更新楽しみにしています! (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げん | 作成日時:2022年12月22日 22時

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