検索窓
今日:18 hit、昨日:47 hit、合計:41,086 hit

212 ページ16




『あ、でもアシリパさんが1番やけんね』


ニカッと笑うAにアシリパもつられて笑った


「また〜そうやって〜何も出ないぞぉ?」


『こげん可愛くて強かな女性に惚れない奴はおらん!』


アシリパを軽々と抱き上げ、くるりと一回転する


「あはは!相変わらず凄い腕力だ!」

『えぇ、そこ?』

「…何をしている」


2人でキャッキャとはしゃいでいると後ろからやってきた尾形に嫌な顔をされた


「尾形か」

『…また邪魔ばしおってからに』

「あ?」

『無視しとけばよかろうもん』

「目障りなんだよ」

『ぁあ゛?』


アシリパを降ろし、至近距離で睨み合う2人


「…尾形、嫉妬してるのか?」

「…は?」

『成る程。言っとくけんど、アシリパさんは渡さんッ』

「いや、私じゃなくて…」

「意味が分からん」

『は?』


全く噛み合わない3人の会話

そこに杉元が戻ってきた


「コラコラ!アシリパさんを困らせるんじゃありません!」

『だってよ尾形』

「お前だろ」

「お前ら2人共だ!」


杉元に怒られた2人は同時に眉を寄せる


『何でお前に怒られんといかんと?』

「…煩い杉元」

「えぇ…」


2人は同時に杉元を睨む

アシリパはその様子を見て笑った


「ハハっ、2人は仲が良いな!」

『コイツと仲が良い…?』


Aは目を丸くし、尾形を見た


『…うん、そうかもしれん』

「いや、そこは否定するところだろう」


真顔で返され、首を傾げる


『…?…違うのか?』


本気で分からないと言う顔をするA

尾形は溜息を吐き、外套のフードをかぶりながら離れて行った


『??』

「アイツ絶対ニヤけてるよ」

「フフ面白いな」


杉元とアシリパはニヤニヤとしながら去っていく尾形を見ていた


『…友達とか出来た事ないけん分からんっちゃけど…』

「…Aは俺たちの事なんだと思ってるの?」

『生きていて欲しい人』

「「!」」


即答したAに2人は息を呑む


『私は皆に生きていて欲しい。ただそれだけだ』


その望みは叶わないと分かったように呟く彼女自身が今にも消えてしまいそうで、アシリパは急いで手を掴んだ


「大丈夫!私も杉元も絶対死なない!だから、だからAもッ…!」


Aはアシリパの手を握り返し微笑む


「俺は不死身だ。アシリパさんだって必ず守る」

『あぁ、頼りにしとるよ』


3人は互いの手を取り、強く握りしめた

213 網走→←211



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

げん(プロフ) - しろやぎさん» ありがとうございます!そのお言葉が最高です!頑張ります! (2023年1月9日 0時) (レス) id: a079014d07 (このIDを非表示/違反報告)
しろやぎ - もう最高!!全てが大好きです!! (2023年1月5日 9時) (レス) @page22 id: 99b2f3a031 (このIDを非表示/違反報告)
げん(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉です!励みになります!更新頑張ります!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page16 id: 3da1d6569e (このIDを非表示/違反報告)
くれは(プロフ) - 文章構成や、ストーリーの流れて会話がきれいで読んでいてとても楽しいです!更新楽しみにしています! (2022年12月28日 14時) (レス) @page13 id: f312d035a4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:げん | 作成日時:2022年12月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。