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白石はサイコロの確認をして、若山に返す
「壺振りも仲沢さんだっけ？この家主さんに任せれば公平だろう」
「ぇえ！？私がやるんですか？？」
「その前に仲沢さん…あんたも脱げ」
「あ……はい…」
杉元に言われ、仲沢は服を脱ぎ上半身を晒した
「あの…よろしいでしょうか」
「うるるるるッ」
「汚いちくびをアシリパさんに見せるんじゃねぇよ！怖がってんだろッ！」
「何だそのちくびは！早く隠せ！」
「ふざけたちくびしやがって」
「はぁ…そうですか…」
『そげん言わんでも…。仲沢さん元気出して』
「…っ…ありがとございます」
一瞬乙女のような目つきになった仲沢にAは見間違いかと目を擦った
「よ、よござんすね？」
「真似事は良いから早くしな」
仲沢は壺にサイコロを２つ入れ畳の上で振る
「一発勝負だぜ！さぁ張った張った！」
「丁ッ！！」
「うるせぇシライシ！！半だ！半！！」
「よっしゃ！そんならこっちは丁だ！負けた方は文句無しで銃弾を取りに行くで宜しいな！さぁ勝負勝負！」
緊張が走り、仲沢は壺を開いた
「イチクロの半！！…って！この馬鹿野郎！」
若山は仲沢を蹴り飛ばした
『大丈夫かっ』
「えぇ、すいません…」
Aは倒れ込む仲沢に駆け寄り支える
「ああ〜〜！見ろこの壺！髪の毛が張ってあるぞ！毛返しだ！カゴの隙間から出目を確認して髪の毛でサイコロをひっくり返すイカサマだ！毛返しってのは高等技術だぜ。ただの農夫が出来るような技じゃねぇ」
白石は仲沢と若山を指差した
「コイツらグルだったんだ！イカサマしようとして失敗しやがった！あははははっ！」
「…いや、お前に限って失敗はありえねぇ。わざとやりやがったな？」
Aは離れようとするが仲沢に腕を掴まれ動けない
『お、おい…離して…』
「何だって俺を困らせる様な事ばっかりしやがる！」
若山が怒鳴りAを掴む手に力が入った為黙るしかなかった
「偶然コイツらがこの家に来ちまったから知らんぷりしてたのに！こんな状況であの生首勝手に置きやがって！めちゃくちゃじゃねぇか！！」
「親分が浮気するからだッ！！！」
仲沢の言葉に若山以外は眉間に皺を寄せ口を閉じた
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作者名：げん | 作成日時：2022年11月3日 17時
