じょうもんさんば雪の上 / 参 (ページ9)

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「そっちのアイヌの色男…テメェのせいで俺は競馬で大損をこいたんだ。落とし前に先ずは外の銃弾を取ってこいや」

「あんたが馬主の親分だったか。この生首で脅すつもりだったのか？」

「あるいは殺す前に見せ付けるためかもな」

「親分さん！コイツらに楯突かん方がいいぜ！日露戦争帰りで殺し慣れてる2人だからな！」

「上等だぜ。俺も商売敵を斬りまくってヤクザの親分にまで這い上がって来た。鉄砲の使えねぇ兵隊さんが何処までやれんのか試そうか？」

ガチャリ

「「「！」」」

『すまない。私も戦争帰りだ』

拳銃を若山に向けるAは少しニヤついていた

『殺しはせんが…2度と使えんようにしちゃる』

真っ直ぐに股間を狙うAに男達は股を隠した

「みんないい加減にしろ！Aまでどうしたんだ！？外にはヒグマが3頭も居るのに中で殺し合ってどうする！ここを無事に脱出する事が最優先だろ！」

暫く睨み合いが続いたが、若山は刀を鞘に収めた

「嬢ちゃんの言うとおりだ。ここは休戦しよう。だが誰かが外の弾薬盒を取りに行かなきゃなんねぇのは確かだ。話し合いじゃ埒があかねぇだろう。俺はヤクザのばくち打ちだ。誰が拾いに行くか博打で決めようぜ」

「……いいぜ」

「アイヌの色男と勝負させろ」

キロランケの事を何度も色男と呼ぶ若山にAはそっと銃を向ける

『狙ってんのかクソオヤジ』

「なんだ妬いてんのか？」

『ぶっっころすッ』

「おい！Aに近づくな！」

小声で話していた2人に気づいたキロランケはすぐにAを引き寄せた

「何だそう言うことか？」

『どう言うことだ！？このクソオヤジ！』

「お、落ち着けAっ」

キロランケが白石に丁半の説明を受けている間もAは若山を睨みつけていた

「サイコロを調べさせろ！」

若山はサイコロを白石に投げた

ひとつ落としてしまった白石は床に這いつくばりサイコロを拾う

そんな白石のケツを若山は凝視していた

『？？』

Aはその隣にいた仲沢が若山を見て、険しい顔をしている事に気がついた

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