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「おいそれさっき囚人の頭を殴ってたやつだろう」
髪を拭いて貰いながら、杵と臼でオオウバユリを積き潰している杉元達を見ていると尾形が指摘てしていた
『こら尾形、料理の邪魔せんと』
パッとコチラを見た尾形は何も言わないまま近づいてきた
「…何をしている」
髪を下ろし女性にされるがままのAはニヤリと笑う
『髪ば綺麗にして貰っとる』
「フン、良い身分だな」
『なぁ、先生は？』
「どっかで一発やってるんじゃないか」
『そっか、お前は良いのかやらなくて』
「何でそうなるんだ」
『男だろ？』
「……。」
横に座りジト目で見てくる尾形に首を傾げた
『なんだよ』
「お前そういうの嫌いだろ」
『別に嫌いじゃない。…あぁ、この間のことか……あれはただお前をあまり警戒してなかった私が悪いんだ』
「なんだそれは…。その言い方だと今は良いと言う事になるが？」
尾形はニヤリと笑った
『別に構わないが…』
Aは髪を拭き終えた女性を引き寄せ、膝の上に乗せる
『主導権は私だ』
女性の頬をゆっくり撫でながら横目で尾形を見た
「……っ…」
色気溢れる彼女に尾形の眉間に皺がはいる
『ありがとう』
顔を真っ赤にする女性に顔を近づけ礼を言い、立ち上がらせた
『さぁ、手伝ってくるかな』
Aはそう言いながら杉元達の元へ戻って行った
顔を真っ赤にしたままの女性に群がる別の女性達
彼女達もまたAの事を目で追っていた
「…たらしめが」
尾形は立ち上がりかけたものが静まるまでそこから動く事が出来なかった
夜には皆で団子を食べ、村に平穏が戻った事を喜んだ
そして翌朝…
「さて、問題は村長に化けていた網走監獄からの脱獄囚…詐欺師の鈴川聖弘をどうするかだ」
昨日捉えておいた鈴川を皆で囲む
村の女達は関わりたくないと言い、どうするかはアシリパ達に託された
「面倒だ…殺して皮を剥いでいこうぜ」
尾形の一言にアシリパは眉を寄せ杉元を見る
「無抵抗の人間まで殺すのか？」
「……。」
「網走から脱獄した他の囚人の情報がある！」
答えない杉元に鈴川は焦り口を開いた
「…ほう」
「どうだかな、お前詐欺師だろう？時間稼ぎの嘘かもよ」
「嘘なら舌を引っこ抜いてやるさ。閻魔様がやるか俺がやるかの違いだろ？」
『それに今は先を急ぐ。土方さん達と合流して決めよう』
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作者名：げん | 作成日時：2022年11月3日 17時
