じょうもんさんば雪の上 / 参 (ページ44)

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弟が立ち上がり出て行くのを気にしながらAは杉元を見たが彼は首を傾げるばかりだった

『……。』

「……。」

少し呆れながら視線をずらすと尾形と目が合う

…ここはアイツに任せるか

そう思いAは立ち上がる

『すまないが私もオソマしてくる』

「Aまでッ！？…お手洗いって言いなさいよぉ…」

『なんだよオソマ食べるくせに』

「はぁ！？食べてないから！」

杉元に言い返しながら男達を見るがオソマと言う単語に反応したのは女性だけだった

『……。』

最後に尾形と目を合わせAは外へ出た

…チッ……もうおらんやないか…

家の外に出るが、既にエクロクの弟と言われた男を見失ってしまった

『アシリパさ〜ん』

コソコソ探す必要は無いとアシリパの名を呼ぶ

少し進んだ所で別の家から若い女性が飛び出して走って来た

「ウンカオピウキヤン！」

『うんか…？』

女性の後ろから男達が追いかけてくる

よろしく無い状況に目を細めた

『お嬢さんコチラに』

「ウンカオピウキヤンッ」

『何を言っているか分かりませんが…』

女性を抱きとめ背に隠す

走ってきた3人の男達はAに気付くと笑顔を作った

『そんなに慌ててどうされました？』

「い、いや、なぁ…」

「ウンカオピウキヤン…」

女性は震えながら背中の服をぎゅっと握り締める

『彼女は何と？』

「貴方達によく無い事を言っているんだ。それで叱っていたところで…」

『そうは見えないが？』

Aは男達を強く睨んだ

「…叱られたく無いんだろう」

『それで気に食わない私に助けを求めたと？ふふ、おかしな話だ。……それに…、アンタらも日本語上手いなぁ？』

「…っ…」

『…あと、その立派なくりからもんもんは和人に彫って貰ったんか？』

Aは足元に目線を落としニヤつく

「面倒くせぇッ！先に殺そう！」

「…っ！！」

「待て落ち着け！」

男達は目の色を変えた

1人は落ち着かせようとするが、2人が鎌やマキリを握り此方に斬り込んでくる

『さがっとき』

背後の女性を退がらせ、短剣を引き抜く

『そげん大振りしてから…。舐めとーなぁ？』

「「！？」」

しゃがんだAは2人の視界から消える

懐に入り込み1人は鳩尾に拳を打ち、1人は短剣で腹を切りつけた

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