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「怪物ってあの赤毛のヒグマの事だったのかよ。しかし何やってたんた？あのヒグマ」
馬を完全には殺さず、前足を両肩に背負い馬に自分の後ろ足で歩かせる事によって運ぶ重量を半分にする
そうやって森の奥へ連れて行き食べるという
「頭が良くてもヒグマはヒグマだ。この取引受けてやる。アイツを倒したらアザラシの服を返して貰う」
アシリパがダンに向かって告げると彼は掌に熊の爪を出した
「これは赤毛のモンスターの爪だ。去年の秋に銃で指ごと吹き飛ばしてやった」
「ゆび？」
「そう…さっきの足跡には足の指が全部あった。去年の夏には片目を撃ち抜いた。それなのに先週うちの馬を食った奴には両目があった。私があの赤毛をモンスターと呼ぶのは、指を吹き飛ばそうが目を撃ち抜こうが元に戻っているからだ。奴は不死身だ。不死身のヒグマだ。斃せるものなら斃して来い」
そう言ってダンは屋敷に戻って行った
「白石はついてくるなドジだし邪魔なだけだ。銃もないのにワイワイ着いて来られても足手まといだ」
「クーン」
「この森を南に出ると誰も使っていない農家がある勝手に休んでも構わんだろう」
「キロちゃん…一緒に行ってくれる？」
白石とキロランケは農家に向かう事になった
「Aはキロランケと一緒に居てくれ」
『大した飛び道具無いけんね…』
「白石の事頼んだぞ」
『…しゃーなしや』
アシリパと杉元、牧場の従業員のおじさんに別れを告げ農家へと向かった
「農家があったぞ」
森の開けた場所に農家が佇んでいる
がさっ
「『！』」
「え？何っ！？」
物音がして振り向けば首から血を流す馬がいた
「何だ驚かせんなよ」
「さっき赤毛に襲われてた馬だ」
『傷はそんなに深くない…頑張ったね』
「ここまで逃げて来たのか…」
馬を撫でるAはキロランケを見た
「…考えは同じだな」
『うん』
「え？何？」
「よしよし来いっ」
「その馬連れて行くの？」
「こいつは赤毛の獲物だ！執念深いヒグマは必ず自分の獲物を取り戻しにくるッ」
「ぇえ！？じゃあそんな馬置いて行けよ！俺たちは熊と戦える武器なんて持ってねぇんだぞ！」
「煩え！殺されちまうって分かってるのにほっとけるかッ！」
『待て！止まれッ！！』
「「！？」」
Aが指を差す方を見ると赤毛のヒグマがこちらを見ていた
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作者名：げん | 作成日時：2022年11月3日 17時
