じょうもんさんば雪の上 / 参 (ページ22)

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120 江渡貝ページ22

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翌日、入れ墨の情報を集める為に街へ降りた

『…あれ？』

杉元と白石とA、アシリパとキロランケの２手に分かれ聞き込みをしていたがいつの間にか1人になっていた

聞き込みした娼婦のお姉さんに長い事捕まり、2人に置いて行かれたのだ

『参ったな…、取り敢えず人がおるとこ行くか』

炭鉱の煙突から上がる二股に分かれた黒煙を見上げ足を進めた

『炭鉱か…懐かしいな』

地元にも炭鉱があった為少しだけ馴染みがあった

トロッコの線路の上をダラダラと歩いていると突然視界に白い塊が飛び込んできた

『は？』

前からやってくる白い塊は白熊の皮をかぶった青年だった

「鶴見さんッ鶴見さんッ」

『！？』

横を通り過ぎる時に聞こえた名前にAは驚く

「完成した偽物6枚と本物の2枚！奪われる訳にはいかないッ！鶴見さんに必ず渡さないとッ！！」

『！！！』

直ぐに刺青人皮の事だと理解したAは白熊を追って走り出した

…荷物置いて来て良かった！

いつもの背嚢を背負っていない分Aの足は早かった

『白熊さ〜ん！待って！』

「ええ！？誰！？」

『白熊さんは鶴見さんのお知り合いですか？鶴見さんここに居るんですか？』

「何ですか貴方！僕は鶴見さんに会いに行くんです！邪魔しないで！」

『私も鶴見さんに会いたいなぁ〜なんて…』

「僕の鶴見さんですよ！？貴方本当何なんですか！？今僕狙われてるんです！」

『狙われてる？どんな人に？』

並走しながら言い合いをする2人に周りはどんどん道を開けていく

「なんか銃持った顎髭の怖い人！！」

『杉元じゃ無いか…、よし、それなら私がその荷物持ってやるから一緒に逃げよう？』

「絶っ対イヤ！！」

『何で！？』

坑道の入り口まで来た頃には白熊の皮をかぶった青年こと江渡貝の体力はつきはじめていた

『ほら？そんなん着てるからきついんでしょ』

「な、なんですか？…何で息上がってない…の？」

『ほらそれ頂戴？』

鞄に手を伸ばそうとした時、新たな声が現れた

「江渡貝くーん」

『「！」』

振り向くと先程江渡貝が言っていた髭の男がコチラに銃を向けていた

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