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夕張の綺麗な川辺に馬を休ませ、食事を取ることになった
アシリパと杉元が川を堪能している間にキロランケと白石と共にカワヤツメを捕まえる
「アイヌはウクリペと呼んでいる。水の下の窪みに吸い付いているから、中指を外に出して掴んでみろ」
『獲れた！』
「ぁあ！」
白石はヌルッと手元を滑らし逃してしまった
「そっちでアシリパ達と遊んでな」
『邪魔だ。他が逃げる』
「クーン」
「Aも遊んできていいぞ？」
『あー、いや別に良い。捕まえる方が楽しい』
「？？…そうか？」
『ほら！また獲れた！』
「ハハ、お前は本当器用だな」
ザブッ
誰かが水に浸かる音がして振り向けば、白石がずぶ濡れになっていた
「白石の頭にヤツメウナギが吸い付いてるぞ」
「え！嘘！？…気持ち悪〜い」
頭から取ったヤツメウナギの吸盤は確かに気持ちが悪かった
「お、白石も捕まえたか。じゃあそろそろ飯にしよう」
川を上がり、火を起こす
熊の胆のお金で手に入れた白米を飯盒で炊く
「アシリパさん達はどうやって食べるの？」
「アイヌは背割りして乾かしてから焼いて食べるだけ」
「背割りか、関東風だな。関西じゃ腹割りなんだよな。関東じゃ腹割りは切腹を連想するからやらないとか……。九州は？」
『ウナギやら食べた事ないけん知らん』
「そっかぁ〜……。折角だから蒲焼きにして食べようぜ！醤油、酒、砂糖を使ってタレを作って…」
白石に言われた通りにウナギやヤツメ捌き串に刺す
「生わさびを見つけたからすりおろして薬味にしよう。白樺の樹皮で作った四角い器にご飯をよそって…カワヤツメの鰻重だ！！」
「『頂きます』」
「はむはむ、ウナギよりちょっと硬いけどぷりっぷりだね！ヒンナヒンナ」
『蒲焼き美味しいな』
「軟骨がコリコリしてる」
「見た目はウナギに似てるけどヤツメは骨が全部軟骨なんだ」
「アイヌの伝説にこういう話がある。神様が獲った熊を解体して石狩川を船で運んでいたら転覆してしまい流されたヒグマの腸がウクリペになった。だからヤツメウナギには骨が無いんだって」
「シライシも体の関節がぐにゃぐにゃなのは、ヒグマのチンポがシライシになったからかもな！」
「やだぁアシリパさんっ」
あははと和やかな空気に包まれたのだった
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作者名：げん | 作成日時：2022年11月3日 17時
